防水工事

ベランダの雨漏り原因と修理費用について解説

2019年8月9日

 

雨漏りがどこで発生するのか、それを聞いて普通はまず「屋根」を連想すると思います。

しかし、意外に多いのが「ベランダ」を発生源とする雨漏りです。今ではベランダを持つ一軒家が珍しくありませんが、ベランダの施工件数は多いにも関わらず、そのメンテナンスの必要性についてはあまり周知されていません。

そのような状況がベランダを原因とする雨漏り被害の増加を招いていると言えます。ベランダからの雨漏りには複数の要因があり、一見して原因がわからない、ということも少なくありません。

ここでは、ベランダからの雨漏りの原因その修理方法と修理費用、業者の選別の仕方を解説します。

 

ベランダから雨漏りする原因は?

 

ベランダから雨漏りが起こる理由は複数考えられますが、主な要因として次の3つを挙げることができます。

 

新築時の施工不良

 

日本では、その気候の特性から、「雨仕舞」と呼ばれる屋内への雨水の侵入を防ぐための技術が発達しています。

ですがベランダの場合、近代になって国内にもたらされたものであることから、ベランダ周りに必要な「雨仕舞」のための技術が蓄積されておらず、施工不良が原因で雨漏りしてしまうケースが少なくありません。

ベランダに関する技術的知見が少ないため、必要な設計上のレギュレーションが分からず、設計ミスをしてしまうという事例もあります。

 

防水コーティングの劣化

 

防水表面のコーティング剤が劣化して、そのまま放置状態が続くと雨漏りが発生してしまうケースも多いです。

家屋の防水処理のメンテナンスは10年に一度程度行うことが必要とされますが、新築10年での点検は、家がまだ新しいという油断から怠りがちになります。しかし、この最初の10年目でのメンテナンスを行うか否かは、その後の家の耐久年数を決める大きな要因となっていきます。

防水処理が行われている部分については新築から10年と家屋がまだ新しく大丈夫だろうと思われる時期からしっかりと点検・メンテナンスを行っていくことが重要になります。

 

排水溝の詰まり

 

排水溝にゴミなどが貯まることによって詰まると、雨水が長期間溜まったままになるということが起こります。

長期間雨水が溜まった部分は傷みやすくなり、耐久年数の減少に繋がります。結果として、本来考えていたよりもずっと早く、排水溝が原因の雨漏りが起こってしまうことになります。

ベランダ菜園をやっていたり、ベランダに物を置いてあると、排水溝の詰まりに気づきにくくなるケースもあります。

排水溝は常に目につくような状態を保ち、ゴミ詰まりが発生している場合がすぐに取り除くようにした方が良いでしょう。

 

サッシまわりのコーキングの劣化

 

サッシまわりのコーキングの劣化サッシ下端の防水処理の不具合で雨漏りすることがあります。

サッシまわりのコーキングは外壁塗装と同様に経年劣化によって防水性能が低下していきます。劣化したサッシまわりのコーキング部分から侵入した雨水がベランダからの雨漏りにつながるケースもあります。

また、サッシ下端の雨漏りは新築施工時の処理が大きく影響する可能性が高いです。

 

ベランダ防水からの雨漏りを確認する方法は?

雨漏り調査

 

ベランダ防水からの雨漏りを確認する方法は、簡単な目視から実際に水を溜めて行う散水検査などがあります。雨漏りの状況やベランダの構造などを考慮して検査方法を選定することが大事です。

 

目視検査

 

目視検査ではベランダを清掃して目視で塗膜や防水層の浮きや膨れ、ひび割れを検査します。簡単な検査方法ですが専門的な知識や経験が必要です。

検査費用は「無料」で行ってくれる業者がほとんどです。

 

散水検査

 

散水検査は実際にベランダに水をかけたり、水を溜めたりして雨漏りの原因を探す検査です。通常の雨では雨漏りしていない場合でも、長雨や豪雨などの際に雨漏りする場合は散水検査によって人為的に同じ状況を再現することが必要です。

検査にかかる費用は「無料から3万円前後」です。

 

発光検査

 

発光検査では紫外線に反応する液体を使って、壁の内部など見えない部分の雨漏りの場所を特定する検査です。

検査にかかる費用は「3万~(規模により異なる)」

 

赤外線検査

 

赤外線検査ではベランダ周辺の天井や壁の温度を計測して、雨漏りの場所を特定する検査です。

特別な機器などが必要で検査にかかる「費用は無料~(規模により異なる)」

 

ベランダからの雨漏り修理の費用は?

 

ベランダからの雨漏りの修理にかかる費用は、雨漏りが発生している場所によって費用が異なります。ここではベランダからの雨漏りの発生場所による修理費用について紹介していきます。

 

床からの雨漏り

 

ベランダの床からの雨漏りでは、施工されている防水層の種類によって修理費用が異なります。

FRP防水のベランダの床から雨漏りが発生している場合には、劣化している防水層の範囲などによって異なりますが修理にかかる費用は「10万円~15万円程度」です。ウレタン防水の場合には「8万円~10万円程度」です。

どちらも下地から防水層をやり直して修理していく方法となります。

 

ベランダ防水工事にかかる費用の相場を教えて

 

手すりからの雨漏り

 

ベランダの手すりからの雨漏りでは、笠木が原因で雨漏りするケースが多く、笠木の交換やカバーが必要になります。笠木板金の交換費用は「8,000~10,000円/m程度」です。

 

ドレンからの雨漏り

 

ベランダのドレンからの雨漏りでは、原因によって修理にかかる費用が異なります。ドレンが詰まってしまったことから発生した雨漏りに関しては、周辺の清掃や軒天の張り替えなどが必要です。

ドレン周辺の防水層が劣化している場合には、周辺の防水層の修復なども必要となるため「5万円~15万円程度」の費用が必要になります。

 

外壁、サッシからの雨漏り

 

ベランダ周辺の外壁やサッシからの雨漏りでは、外壁材やサッシ周辺の防水処理、状況によっては下地木材の交換や補強などが必要となります。規模によって大きく変わりますが、「2万円~20万円程度」の費用が必要になってきます。

 

雨漏りを放置すると2次被害が発生する?

 

雨漏りが起こっても、まだ大したことではないからと放置してしまうこともありますが、雨漏りの放置はさまざまな二次被害をもたらすため、注意が必要です。

雨漏りの二次被害には、「腐食」・「カビの発生とカビ臭」・「シロアリ」の発生などがあります。

 

腐食の発生

 

雨漏りの放置で最初に発生するのが腐食です。

侵入した水分を放置してしまうと、やがて木材が腐食してボロボロになってしまいます。この状態を「腐食被害」と呼びます。

雨漏り防止や修理の工事が中途半端だと起こりやすく、クロスの変色や天井のシミの発生で初めて気づくケースが大半です。

鉄筋コンクリートを使った家屋でも、ベランダづたいに雨水の侵入を起こし階下の木材が腐食するということもありますので注意しなければなりません。

 

カビの発生

 

雨漏りで侵入した雨水が原因でカビが大量発生することがあります。

「カビ臭の発生」で事態に気づくことが多いようです。またクロスの変色を起こすこともあります。

化学物質が引き起こすことで知られるシックハウス症候群はカビが原因で起こることもあり、カビにはカビ臭ばかりでなく、さらなる被害の原因となる可能性もあります。

 

シロアリの発生

 

雨漏りで腐食した木材にはシロアリが発生しやすくなります。

シロアリは、腐食で柔らかくなった木材を好むためです。シロアリの発生は家屋の構造を弱らせ、最悪は倒壊という事態を引き起こす恐れもあります。

地震などへの耐久度が落ちてしまうという問題もあります。シロアリ駆除や修繕費は高額になるため、早めの雨漏り対策を行うことが肝要となります。

 

ベランダの雨漏りは火災保険が使える?

 

ベランダの雨漏りを修理する場合、条件によっては火災保険の給付を受けることが可能な場合もあります。

それはその雨漏りが台風などの自然災害が原因として発生した場合です。火災保険が適用される自然災害には、主に「台風や暴風雨による風水被害」の他、「大雪による雪災」も含まれます。

雨漏り以外にも、大雪でベランダの屋根が破損したような場合には火災保険を受けることができるでしょう。

ベランダの床面や壁面など、経年劣化が原因で雨漏りを起こす可能性がある場合は火災保険の適用外となる可能性が高いです。

火災保険の適用範囲はあくまで自然災害を原因とすることが条件となっているためです。

 

雨漏り修理業者の選び方は?

 

雨漏り修理は想像する以上に専門的な知識とスキルが要求されるものです。

半端な修理は二次被害や新たな雨漏りの発生原因となるため、雨漏り修理業者の選定には十分注意して、慎重に行いたい所です。

雨漏り修理業者の選別基準となるポイントは3つ。「地域密着型の業者であること」、「人間性」、「資格」です。

雨漏り修理は、直後に別のトラブルが起こりやすい工事でもあります。また、定期的なメンテナンスが家屋全体の耐久年数に関わってくるため、欠かせません。

 

地元密着型の業者

 

地元密着型の業者なら、突然のトラブルが起こってもすぐに駆けつけることが可能ですので、迅速な対応を期待することができます。

また、地元密着の仕事をしている場合、悪い評判がそのまま仕事量の減少にも繋がりますので、手抜き工事など出来ないことも理解しており、丁寧な仕事をしてくれることが多いです。

 

人間性(人柄)

 

業者の人間性も重要です。雨漏り修理にはいろいろな条件が関わってくるので、場合によっては当初の見積もりを超える費用が発生することもありえます。

しかし中にはそれを見越して先に格安の見積もりを出して置きながら、後になって請求費用を吊り上げてくるようなケースもあるので注意が必要です。

 

専門知識(スキル)

 

雨漏り修理には前述の通り、専門的な知識・スキルが要求されています。

だから、業者が保有している資格も、業者選定の重要な基準となります。主に雨漏りの修理工事に必要とされるのは「技能士の資格」「雨漏り診断士」の資格です。

 

自分で応急処置や補修はできる?

天井の雨染み

 

突然ベランダから雨漏りが発生して、応急処置ができないか考えるかもいると思います。

ですが、ベランダが原因となる雨漏りにはいくつもの要因が考えられ、専門的な知識や技術がなければ、応急処置や補修を行うことは難しいでしょう。

自分で応急処置を施した結果、かえって雨漏りを悪化させる可能性も考えられます。そのため、早急に専門の雨漏り業者に調査の依頼をおすすめします。

 

最後に

 

雨漏りは、屋根からというイメージが多いですが、ベランダから発生する事例も数多くあります。

主に、経年劣化による雨漏りです。劣化しても定期的に防水によるメンテナンスを行っていれば問題ないのですが、放置してしまうと雨漏りしてしまいます。

雨漏りした場合は、放置する事なく早めに専門業者に点検及び修理を依頼しましょう。

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