防水工事

ベランダのひび割れはなぜ起きる?その原因や補修方法について解説

2021年3月3日

バルコニーのひび割れたモルタル

 

洗濯物を干したりする際、ベランダの床に「ひび」が入っているのを見かけたりすることがあると思います。そのひび割れは放っておくと雨漏れに繋がる原因となってしまうので早めの対処が必要です。

ここでは、ベランダにひび割れが発生する理由や対処方法などについて紹介していきます。

 

ベランダのひび割れの原因とは

ひび割れ

 

経年劣化によるもの

 

ベランダにひびが入る原因の殆どが経年劣化によるものです。ベランダは常に紫外線を浴び続けています。そのため、紫外線により塗膜が劣化しひび割れを起こしてしまうという訳です。

他に、ベランダは雨水にさらされる時間が長いというのも原因の1つです。ベランダは人が歩くように設計されている為、なるべく平坦に作られております。

そのため、必然的に屋根よりも勾配が緩くなり、水はけが悪い状態にあります。水に浸っている時間が長い分、劣化が早くなってしまいます。

 

建物の揺れによるもの

 

ベランダに多く採用されているFRP防水は、地震や強風などの建物の揺れに弱い傾向にあります。

FRP防水は施工後の重量が軽量で防水性能が高いことが特徴です。しかし、防水性能を発揮するために、表面が硬化するため柔軟性に欠け、建物の揺れへの対応が悪くなります。

建物は地震や強風など軽微な揺れが常に発生しているため、FRP防水の表面にはひび割れが発生しやすくなってしまうのです。

 

ひび割れの状況からみたメンテナンス時期について

ウレタン防水

 

ベランダのひび割れ状況によってメンテナンスのタイミングは変わってきます。

そのタイミングの判断基準としては、ひび割れの深さや大きさのほかにも経年劣化による周辺の状況を考慮する必要があります。ここではベランダのひび割れの判断基準について紹介していきます。

 

表面の塗膜のひび割れ

 

表面の塗膜のひび割れは、施工後5年程度で発生する可能性があります。ベランダのFRP防水の表面には、防水層とは異なるトップコートが塗布されていますが紫外線により劣化しやすい特徴があるため表面がひび割れてきます。

このトップコートの耐久性は一般的に5年程度とされているので、5年~8年を目安にメンテナンスが必要となります。

 

深く大きな防水層へのひび割れ

 

深く大きなひび割れは、防水層の劣化と同時に下地のモルタルや木下地も割れている可能性があります。雨漏りや下地の腐食の危険性が高く、時間の経過とともに被害が大きくなります。

深く大きなひび割れた発生している場合には、早急な防水層の修復が必要です。

 

すでに雨漏りが発生しているひび割れ

 

ベランダの周辺に雨染みなど、雨漏りが発生しているひび割れはFRP防水だけでなく周辺の補修や雨漏りの根本的な解決が必要です。ベランダのひび割れはもちろんですが、ベランダ周辺の劣化状況なども考慮してメンテナンスを行う必要があります。

 

ベランダの構造とは

 

  1. 木下地、コンクリート下地
  2. 防水層(ウレタン、FRP)
  3. トップコート

ベランダの多くは「木下地+防水層+トップコート(塗装)」や、「コンクリート下地+防水層+トップコート」といった複層構造により仕上げられています。

小さなひび割れの場合、表面のトップコートにのみ発生していることが多いです。しかし、小さなひび割れも放っておくのはかなり危険です。

そのひび割れを放っておくことで防水層や下地にまでひびが入り、補修が大掛かりになってしまう恐れがあるためです。

ひび割れが深い場合は、下地まで割れていることが多いため、このケースは早急に対処した方が良いでしょう。

 

ひび割れの対処方法

 

ベランダの床でひび割れを発見した場合、早急に補修を行う必要があります。

DIYでも簡単に行える方法もあるため、それぞれ紹介していきます。

 

コーキング補修

バルコニーのモルタル補修

 

一番簡単な方法として、ひび割れ部にコーキングを注入することで補修を行えます。

器用な方であればDIYでも行うことができます。工具や材料などは通販やホームセンターで購入することが出来るため、早急に対処できます。

しかし、穴埋めをしっかりと行っていないと、水の侵入は止まらないので、注意が必要です。

 

施工手順

ケレンなどの下地調整

ひび割れ部の周囲をペーパーなどを使ってケレンします。またひび割れの幅が細い場合には、カッターなどで幅を広げることでコーキングが接着しやすくなります。

アセトン拭き

ひび割れ部周辺に残っている油分をアセトンを使って拭き取ります。油分が残った状態ではプライマーやコーキングの接着不良に繋がることがあります。

マスキングテープ養生

コーキングを充填する部分にマスキングテープで養生します。マスキングテープのラインがコーキングの仕上がりラインとなります。ひび割れ部にマスキングテープがかからないように注意しましょう。

プライマー塗布

ひび割れ部にコーキングを密着させるため、充填する部分にプライマーを塗布します。

コーキングの充填

ひび割れ部にコーキングを充填します。ひび割れ部が盛り上がる程度にコーキングを充填してから、ヘラなどで平らにならすと良いでしょう。充填したコーキングが少ない場合には、ひび割れ部に十分にコーキングが行き渡らない可能性があります。コーキングが乾く前にマスキングテープをはがします。

 

トップコート防水

上塗り

 

全体的にひび割れが入っている場合や、表面の塗膜の劣化がみられる場合は、全面的なメンテナンスが必要です。

軽度な劣化であれば、仕上げのトップコートの塗り直しで問題ありません。

 

施工手順

高圧洗浄

トップコートの塗り直しを行う場合に最初に行う作業が高圧洗浄です。経年劣化によって傷んでしまった古いトップコートや汚れ、コケなどを除去します。高圧洗浄を丁寧に行うことで下地調整の手間を減らすことにもつながります。

ケレンなどの下地調整

高圧洗浄後にグラインダーなどの工具を使ったケレン作業などの下地調整を行います。古い塗膜にしっかりと足付けをすることで新しいトップコートを密着することができます。

アセトン拭き

FRP防水の表面に残っている油分をアセトンを使って拭き取ります。油分が残っている状態では、下塗りのプライマーの性能を十分に発揮することができません。細かな作業ですがFRP防水の耐久性に影響する重要な工程です。

プライマー塗布

下地調整を行ったベランダの表面と新しいトップコートを密着するさせるためにプライマーの塗布を行います。

トップコート塗装

下地調整などによってむき出しになった防水層を紫外線などの劣化から保護するためにトップコートの塗装を行います。トップコートを2回塗りして塗膜の厚みを確保します。

 

防水層の塗り直し

ウレタン防水

 

ひび割れが深く防水層に傷みがある場合は、防水層からやり直した方が良いでしょう。

 

施工手順

高圧洗浄

防水層の塗り直しを行う場合にも高圧洗浄によって汚れやコケ、経年劣化した塗膜の除去を行います。

ひび割れ部分のカット処理

防水層にまで達しているひび割れ部分の周囲をカット処理します。防水層を形成するためには、ひび割れなどが発生している防水層を撤去してから新しい防水層を作る必要があります。全体的にひび割れなどの劣化が進行している場合には、ベランダ全体を下地の状態からやり直す必要もあります。

プライマー塗布

ひび割れ部分のカット処理を行ったあとは、密着性を高めるためにプライマーの塗布を行います。

防水層の形成

ベランダの防水層の合わせて新しい防水層を形成します。既存の防水層とのつなぎ目など劣化しやすい部分には特に慎重な作業が必要です。

<ウレタン防水>

ウレタン防水の場合では、ひび割れなどが発生した部分の撤去や不陸調整などを行った後でウレタン塗料を塗装します。マスキングテープなどで囲ってウレタン塗料を塗装することで新しい防水層を形成することができます。

<FRP防水>

FRP防水の場合では、ひび割れなどが発生した部分にガラスマットを貼り付けます。ガラスマットの上から樹脂を塗装することで防水層を形成することができます。ガラスマットの下に含まれた空気をしっかりと押し出すことで密着した新しい防水層を形成することができます。

トップコート塗装

防水層が完成したら、紫外線から保護するためにもトップコートの塗装を行います。

 

下地の補修が必要な場合もある

モルタル塗り

 

雨漏りなどが酷い場合は、下地からやり直すケースもあります。

木下地の場合は木下地の張替え、コンクリート下地の場合はモルタル補修や塗り直しなどを行う必要が出てきます。

 

劣化を防ぐ為には定期的なメンテナンスが必要

劣化したベランダ

 

屋根や外壁は定期的なメンテナンスを行うのに対し、ベランダのメンテナンスを怠ってしまう方は多いのではないでしょうか。

ベランダのメンテナンスは屋根や外壁同様で非常に重要な項目ですので必ず行ってください。

具体的なメンテナンス方法として、定期的なトップコートの塗り直しが必要です。屋根や外壁同様10年に1度のペースで行うことをおすすめします。

他に見落としがちなのが「排水溝」のメンテナンスです。ベランダの排水溝には泥やホコリなどが原因で詰まりやすくなっています。排水溝が詰まることで水はけが悪くなり、トップコートの劣化にも繋がってしまう為、注意が必要です。

 

ベランダのひび割れを業者に依頼する際の注意点は?

 

ベランダのひび割れを業者に依頼する際の注意点は、ベランダ補修など防水工事の実績や複数の業者から見積もりを取ることです。ベランダなどの防水に関係する部分に関しては、しっかりとした処理を行わないとかえって状況が悪化してしまうこともあるため業者選びはとても重要となります。

 

防水工事の実績が豊富

 

ベランダのひび割れを業者に依頼する際には、防水工事の実績が豊富な業者に依頼しましょう。防水工事は職人の技術力によって防水性能に大きな差がでてしまいます。建物への劣化にもつながりやすいため、防水工事を依頼する業者は慎重に選ぶことが大事です。

防水工事といってもベランダの構造や仕様によって、最適な防水工事がことなるためベランダ修復の施工実績や建物に関する知識の豊富な業者を見つけることが重要です。

 

複数の業者から相見積もりを取る

 

ベランダのひび割れを業者に依頼する際には、複数の業者から相見積もり取ることが大事です。複数の業者からベランダの劣化症状に合わせた補修方法の提案を受けることで、最適な補修方法を知ることができます。

また、補修方法の工程や費用を複数の業者で比較検討することが大事です。

 

最後に

 

ベランダのひび割れは小さいからといって放っておくのは非常に危険です。

見かけた際はなるべく直ぐに補修などの対応を行いましょう。また、ひび割れが起こる原因をしっかりと把握し、メンテナンスを行うことで劣化しづらい環境を作ることも大切です。

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