サイディングは「サイディングボード」とも呼ばれる板状のもので、これを建物の骨格に合わせて貼り付けていきます。
サイディングボートは色や模様が多彩で、これを組み合わせて、さまざまなデザインを生み出すことができます。
その中で代表的なものとして「窯業系(ようぎょう)」と「金属系(きんぞく)」とありますがどのような違いがあるのでしょうか?
ここでは窯業系と金属系のサイディングのそれぞれの特徴とメリット・デメリットについてご紹介します。
窯業系サイディングの特徴
窯業系サイディングは2000年くらいから普及し始めた比較的新しい外壁材で、「セメントと繊維」が主な材料となっています。
デザインの種類が豊富なことや素材自体が安くて初期費用を抑えることが出来ることから人気があります。
「木目調」や「レンガ調」、「タイル調」などさまざまなデザインがあり、外観デザインを左右します。
現在では、新築住宅の実に7割がこの窯業系サイディングで施工されています。
窯業系サイディングのメリット
窯業サイディングは、「色や柄のバリエーションが豊富」で、「加工しやすいため工期も短縮できる」などメリットが多いことから、今では新築住宅の主流となっています。
窯業系サイディングは「耐震性」に優れており、モルタル外壁と比較して重さが2分の1と「軽量」です。
住宅というのは軽量であるほどに揺れによる影響が少なくなるので、地震にも強くなります。
また「耐火性」に優れていることもメリットです。
耐火性に優れていることも窯業系サイディングの大きな特徴で、金属系サイディングよりも優れています。
一般住宅の耐火等級は4等級までありますが、窯業系サイディングは最高の4等級です。
住宅にとって耐火性はとても重要な要素であり、万が一の火災の際の炎症を防ぐと同時に、近所からのもらい火を防ぐためにも耐火性の高さはとても大切です。
窯業系サイディングのデメリット
メリットの多い窯業系サイディングですが、万能ではありません。
熱を吸収しやすいことや「素材自体に防水性能がない」こと、さらに「コーキングのメンテナンスが必要」なことがデメリットです。
セメントを原料としているので熱を溜め込みやすく、セメント質は水を吸収してしまいます。
10年を過ぎてくると外壁にひび割れなどが発生するため「塗装によるメンテナンス」が必要です。
また、サイディングボードとサイディングボードのすき間に目地と言われるコーキングがあります。
コーキングが経年劣化して雨漏りなどの原因となるので「打ち替え・増し打ち・補修」によるメンテナンスが必要になってきます。
金属系サイディングの特徴
金属系のサイディングは、アルミやガルバリウムなどの金属の鋼板を形成しプレスするエンボス加工などでおしゃれに仕上げた外壁材です。
シンプルでシックなデザインのものが多く、金属なので軽量なことも特徴です。
金属系サイディングのメリット
金属系サイディングのメリットは、表面がガルバリウム鋼板でさらに芯には断熱材も入っているので窯業系サイディングよりも「断熱性」が高いことです。
また、窯業系サイディングよりさらに軽い「1/3」の重さであり、「耐震性」が高いこともメリットです。
表面が金属の金属系サイディングは、「防水性」が高く劣化しにくいことがメリットです。
またサイディング自体、重ね合わせて張り合わせるので、窯業系サイディングのようにコーキングが劣化して雨漏りするようなことはほとんどありません。
金属系サイディングのデメリット
ただ、金属なのでどうしても「サビに弱い」というデメリットがあります。
金属系サイディングで使用されているガルバリウムやアルミは、比較的サビにくい素材ではあるものの気候の影響でサビが出る可能性はあります。
サビによる影響で劣化するため、モルタルや窯業系サイディングほどではありませんが、将来的に塗装によるメンテナンスが必要となってきます。
そのほか、窯業系サイディングと比べて、素材が金属のため「単調なデザイン」となり、重厚感のでる窯業系と比べるとデザイン性に関しては劣ります。
最後に
窯業系サイディングと金属系サイディングのそれぞれの特徴をご紹介しました。
それぞれのメリット・デメリットをまとめていくと、
窯業系
メリット
- デザイン性が高く、種類も豊富
- モルタル壁よりも耐震性がある
- 耐火性がある
デメリット
- メンテナンスコストがかかる
金属系
メリット
- メンテナンスコストが抑えられる
- 断熱性がある
- 窯業よりもさらに耐震性がある
- 防水性がある
デメリット
- 錆に弱い
- デザイン性が劣る
デザイン性を重視されたい方は、「窯業系サイディング」がおすすめで、耐久性や機能性を重視したい方は、「金属系サイディング」がおすすめとなります。
このように、それぞれにメリットとデメリットがあるので、しっかり考慮してご検討ください。