外壁リフォームには工法や種類が幾つかあります。経年劣化によるひび割れやサビ等を塗装で保護したり、外壁を新たに張替えすることなどが施行内容になります。
施工方法の選び方は、外壁の劣化状況やご予算によって最適な方法が異なります。
ここでは、外壁のメンテナンスが初めての方や、工法で迷われている方向けに、外壁リフォームの「工法の種類」と、それぞれの「特徴」、「選び方」についてご紹介します。
外壁リフォームの工法の種類
外壁リフォームの工法には「外壁補修」、「外壁塗装」、「外壁カバー工法」、「外壁張替え」と主に4種類あり、それぞれ特徴や、メリット、デメリットが異なります。
外壁補修
外壁は耐用年数が近づくにつれ、外壁のクラック(ひび割れ)や外壁塗装に剥げやサビが出てきてしまうといった問題が起こります。
そこで、コーキング処理(別名シーリング)といったクラックや隙間に目地材を充填し補修する処理を施します。
メリット
外壁補修のメリットとしては、外壁塗装や外壁カバー工法と比較すると安価で施工できる点です。
クラックやサビの一部補修となるため、価格は数万円程度から依頼できます。
また、多少のひび割れであればDIYなどで済む場合もありますので、DIYが得意な方はホームセンターなどで材料を購入して施工してみてもいいかもしれません。
デメリット
デメリットとしては、コーキング材の寿命が短いため、短いスパンでの補修が必要になる点です。
5年~10年程度で寿命になりますが、寿命がきてしまうとコーキング材の剥がれやひび割れなどが起こり、そこから雨水や湿気が侵入し外壁の腐食や建物基礎の強度に影響が出てしまうなど、重大な問題につながる場合があります。
そういった問題が起こらないよう定期的に劣化状況の確認が必要となります。
外壁塗装
外壁塗装は、外観の見た目を良くすることだけではなく建物を雨風から保護したり、特別な塗料を使用すれば断熱、遮熱効果を向上させることもできます。
建物劣化の進行を防ぐためにも定期的なメンテナンスをしていくことが大事になります。
メリット
外壁塗装のメリットとしては、外壁カバー工法や外壁張替えと比較するとコストを抑えて全体的にリフォームできる点です。
安価な塗料から高機能高単価の塗料まで種類が幅広くありますが、ご自身の好みや予算に合わせて塗料を選ぶことができます。
デメリット
デメリットとしては、外壁カバー工法や外壁張替えと比較すると短いスパンでの定期的な塗り替えが必要になる点です。これは使用する塗料にもよりますが、それぞれ耐用年数にばらつきがあります。
コストをだけを取ってしまうと耐用年数が短くトータルコストがかかってしまう場合もありますので、耐久性とのバランスを見て選んでいただくと良いでしょう。
外壁カバー工法
外壁カバー工法は、既存の外壁をそのままに新たな外壁を重ね貼りする工法になります。
サイディングボードの経年劣化により外壁塗装ができなくなってしまった場合に使われる工法になります。
既存の外壁をそのままに上から新しいサイディングボードを重ね貼りするため解体費用、廃材処分費用などのコストをかけずに施工することができます。
メリット
外壁カバー工法のメリットとしては、外壁の重ね貼りにより断熱、遮熱効果を向上させることができ、エアコンなどの光熱費の削減につながります。
また、外壁張替えよりもコストがかからずに済んだり、工事期間が短いなどのメリットもあります。
デメリット
デメリットとしては、著しく劣化が見られる外壁には重ね貼りができないことや、重ね貼りをすることにより断熱性は向上するが、建物の総重量が増えるため、地震時の耐震性が多少低下するなどが挙げられます。
外壁張替え
外壁張替えは、塗装や外壁カバー工法ができないほど劣化が進んでいるため、既存の外壁を取りはずして新しく張替える外壁リフォームになります。
メリット
外壁張替えのメリットとしては、外壁材を剥がすため内部の断熱材や防水紙、木下地、躯体などの交換ができるため、内部までしっかりとメンテナンスができる点です。
デメリット
デメリットとしては、外壁の解体工事費用、廃材の撤去処分費用などのコストがかかることです。
また、大規模な工事になるため、工事期間が長いということもデメリットとして挙げられます。
外壁リフォームの工法の選び方
外壁リフォーム工法の選び方ですが、外壁の劣化状況、外壁の耐用年数に合わせた工法を選ぶようにしましょう。
例えば、経過2~3年で小さなヒビができている場合ではどうでしょうか。
わざわざ外壁カバー工法や外壁張替えをする必要性はほとんどありません。また、ご自身の予算なども考慮して選んでいただくことがいいのではないでしょうか。
劣化状況から見た選択
まず、外壁の劣化状況から外壁リフォーム工法を検討してみます。
軽度の「ひび割れ(クラック)や隙間」、「サビ」等であれば外壁補修で十分間に合うでしょう。
ただし、外壁の「耐用年数がおおよそ10年」と言われていますので、その頃には外壁塗装を視野に入れましょう。
築30年前後になった場合には、「木下地の腐食や外壁の剥離、穴あき、割れ」など状況も悪化してきます。
年数が経つにつれ、外壁塗装では間に合わなくなるので、その際は外壁カバー工法や外壁張替えを考慮に入れましょう。
予算からみた選択
次に予算から外壁リフォーム工法を選んでみましょう。
上記の外壁リフォーム工法の種類でお伝えした通り、一番安価で施工できるのは「外壁補修」になります。
補修だけであれば「数万円~」施工できます。ご自身でDIYをする場合には塗料代や道具など「数千円から数万円」程度で済みます。
次に、外壁塗装ですが、こちらは使用する塗料によって差がありますが、「約60万円~」の費用になります。
対して外壁カバー工法は「約150万円~」、外壁の張替えは「約180万円~」が費用の目安になります。
予算に合わせて外壁リフォーム工法を検討してください。
断熱や機能性からみた選択
そのほか、断熱や遮熱効果などの機能性から外観リフォームの検討も行えます。
もちろん、外壁補修ではその効果は期待できませんので、「外壁塗装」、「外壁カバー」、「外壁張替え」が対象となります。
まず、外壁塗装では、断熱効果のある高機能な塗料はありますが、あくまで塗料です。他2つと比べると低予算で行える点がメリットですが、その効果はあまり期待できないでしょう。
次に、外壁カバー工法では、断熱材付きの外壁材を使用することで既存の壁材と「2重で外壁」となり、低予算で断熱効果は高まります。
最後に、外壁張替えですが、外壁張替え時に壁の内側に断熱材を入れ込む内断熱が主流です。もちろん効果はありますが、張り替える手間と新しい断熱材の費用がそれなりに掛かる点がデメリットなります。
最後に
外壁リフォームには「外壁補修」、「外壁塗装」、「外壁カバー工法」、「外壁張替え」の4種類が主流です。
工法については、外壁の劣化状況やメンテナンスを行う予算によって選択が異なります。
特徴やメリット、デメリットを踏まえながら外観リフォーム工法を検討していきましょう。