外壁塗装の費用は、数十万円、塗料のグレードや建物大きさによっては100万円を超えることも多い工事内容です。
建物の耐久性を維持するためには必要な工事だとわかっていてもなかなかこれだけの金額を一度に用意するのは難しいものです。
「一括だと難しいからせめて分割払いできないものか」と思う方も多いはず、外壁塗装は、ローンでの支払いができるのでしょうか?
ここでは、外壁塗装の支払い方法やローンについてご紹介していきます。
外壁塗装工事の支払い方法は?
外壁塗装工事の費用を支払う方法は業者ごとに違いが見られます。大きく分けて4種類あると考えてよいでしょう。
- 工事前に全額一括払い
- 工事後に全額一括払い
- 工事前、工事後の2回払い
- 工事前、工事途中、工事後の3回払い
この中でも、「工事後に全額支払う方法」と「工事前、工事後の2回払い」が、一般的です。
工事費用を支払う方法は「現金、銀行口座」への振込の2種類がメインですが、クレジットカードでの支払いやローンでの支払いを受け付けている業者もありますから、事前に確認が必須でしょう。
工事前に全額一括で支払う方法
ごく稀ですが、工事前に全額一括で支払う方法を求める業者もいます。
このような業者は、悪質な「持ち逃げ」や「手抜き工事」などのリスクがありますので、注意しましょう。
工事完工後に全額支払う方法
正反対なのが、工事が終わった後に全額を支払う方法です。
依頼する側としてはこれが理想的な方法で、工事中から工事が終わった後までしっかり行っているかどうかを確認したうえでお金を支払うことができます。
ただ、完工しても支払いをしてくれない施工主の方も稀にいますので、業者側からするとリスクがある方法ではあります。
工事前と工事後で2回払い
工事前に「一部」、終了後に「残金」を支払う方法があります。
先に一部支払うのは、工事前に材料などを購入する資金にあてるためや、安心して工事を行っていくためとなります。
工事前、工事中、工事後の3回払い
工事前、工事途中、工事後の3回に分けて支払う方法があります。
外壁塗装で、3回払いを行うケースはほとんどありません。
3回払いを行うケースは、300万円以上の中~大規模な工事に該当するケースで多い傾向にあります。
外壁塗装はローンが使える?
リフォームローンの種類
施工業者でのローン分割払い
外壁塗装にローンが使えるかどうかは業者によって対応が異なってきます。
直接のローンは、大手の業者ほど対応していることが多いですが、個人経営の業者は対応していない傾向が見られます。
規模の小さな業者の場合、分割払いでは資金繰りが厳しくなってしまうので対応が難しいという事情も見られます。
金融機関でのリフォームローン
そのため、一般的にローンを組む方法としては、金融機関で「リフォームローン」を利用していく方法です。
金融機関へ直接相談を行うことで、外壁塗装をローンで行う事も可能です。
住宅ローンを利用している場合には、同じ金融機関でリフォームローンを利用すると「金利優遇制度」を受けられる可能性があるので、おすすめです。
信販会社でのリフォームローン
信販会社の「オリコやジャックス、アプラスなど」でリフォームローンを組むこともできます。
施工業者によって信販会社と提携しているところもありますので、その場合はスムーズに申請を行えるでしょう。
ローンを利用するメリット・デメリットは?
メリット
メリットはなんといっても費用が用意できなくても工事を行うことができることです。
劣化した塗装をそのままにしておくと建物の耐久性そのものに悪影響を及ぼしかねないため、お金が貯まるまで「2年、3年」と待つよりもローンで工事を行い後でお金を支払ったほうが建物のためにはよいのです。
また少々背伸びしてよい塗料で工事を行う機会を得られるのもメリットです。
まとめて用意する場合にはアクリル素材が精一杯な場合でもローンを利用すれば「シリコン、フッ素」などより質の良い工事で依頼できるようになります。
その分費用がかさむことになりますが、よい塗料で質の近い工事を行えば行うほど耐久性も長くなり、長期的な視野で見ると結果的に費用が安くすむケースも出てきます。
安い工事で5年ごとに工事を行うくらいなら高い工事で10~15年工事をしなくても大丈夫な環境にした方がよいからです。
ほかには一括払いのために貯金を切り崩してしまうことでいざという時の出費に対する備えができなくなってしまうといった不安を解消できるのもメリットとして挙げられるでしょうか。
デメリット
それに対してデメリットはやはり「金利」でしょう。100万円単位のローンを利用する場合、「年3~4パーセント」程度の金利は覚悟しなければなりません。
3~4年のローンを組んだ場合には金利だけで10万円を超えるケースも出てきますから、一括払いに比べてかなり負担が大きい形になってしまいます。
住宅ローンのようにローンでなくては購入できないといった状況ではないだけに、工事の費用と質の関係も考慮したうえで最終的に一括払いとローンのどちらが自分たちにとってプラスなのかを判断したいところです。
完済までに時間がかかってしまうのも大きな難点です。たとえば5年ローンを利用した場合、完済したと思ったらもう塗装がはげかかっていて次の外壁塗装工事の検討をしなければならないケースも出てきます。
ローンを完済したかと思ったらまた新たなローンを組む…そんな堂々巡りに落ちってしまわないように注意が必要です。
あとは審査をクリアできるかどうかもデメリットとして挙げておくべきでしょう。
リフォームローンの金利はどれくらい?
最大のデメリットの金利ですが、先ほども上げたように、「年3~4パーセント」程度が相場と見ておくとよいでしょう。
利用する金額によっても違いますし、ローンの種類によっても違いがでてきます。
できるだけ自己負担額を確保しつつ、審査が通りやすいローンを選ぶ。これが金利の負担を減らし賢くローンで外壁塗装を行ううえでのポイントになります。
外壁塗装のローンは減税対象?
じつは外壁塗装で住宅ローン控除を受けられる可能性もあります。
ある条件を満たすことにより、10年間で「年末借入残高の1割」を受け取ることができます。
- 自身の所有する住宅で、居住目的でのリフォーム
- 工事費用が100万円を超えていること
- ローンの返済期間が10年以上であること
- 住宅の床面積が50㎡以上であり、1/2以上が居住用であること
上記のような条件があるので、国税庁のHPで確認していきましょう。
住宅ローン減税を受ける際には、年末調整を行ったうえで確定申告をする必要があるので会社員の方はあらかじめ準備しておく必要があります
外壁塗装は助成金や補助金が受け取れる?
ローンのほかにももうひとつ、自治体の助成金・補助金で外壁塗装の費用を調達できるチャンスもあります。
外壁塗装に「断熱塗料・遮熱塗料」などを使用した、省エネリフォームを行うと自治体から資金援助を受けらる可能性があります。
ただこちらは条件が厳しいのでクリアできるかどうかよく検討したうえで申し込むことが必要です。
※ちなみに横浜市では「塗料」による省エネ工事は対象外となり、外壁塗装の補助金は適用されません。
最後に
外壁塗装で施工店と直接ローンを組むのは難しいケースが多いため、金融機関や信販会社で「リフォームローン」を利用していくことが一般的です。
ですが、外壁塗装でローンを利用する場合には、メリット・デメリットもありますので、どちらも理解した上で慎重に検討していくことが必要です。