モルタル外壁の仕上げ塗装の一つとして、リシン塗装が有ります。
最近は施工される事例が少なくなってきましたが、ザラザラとした手触りと落ち着いた外観は、今でも人気が有ります。塗替えを検討する際にも、リシンの雰囲気を替えたくないという希望が多いようです。
そんなリシン壁の塗装時期や塗装した場合の費用相場について、ご紹介していきます。
リシン壁の特徴について
外壁がリシン塗装の場合の外壁材(下地)はモルタルが主です。モルタルとは、セメントに砂と水を混ぜ合わせたものです。
モルタルには防水性が無いため、外側に施す仕上げ塗装の代表的なものがリシン塗装です。
リシン塗装の施工方法には、吹き付けとかき落としが有りますが、一般的には、エアスプレーガンを用いた吹き付け工法です。ローラーやコテで仕上げるのに比べると、短時間で済みます。
塗料は、細かく砕いた石や砂に樹脂やセメント、着色剤を混ぜたものです。そのため、仕上りは、ザラザラした表面になります。
費用の面では、他の塗装や外壁材に比べて安く済むというメリットがあります。
しかも、通気性や美観にも優れているので、1980年代頃までは、最も多く使われた工法でしたが、最近は、サイディング壁が主流となっており、施工例が少なくなっています。
しかし、砂壁のような落ち着いた風合いを好む人には今でも人気が有ります。
リシン壁の塗装時期と劣化症状
塗装時期
安価なアクリル樹脂が使われるケースが多いため耐久性は「7年から8年」と言われ、長くても「10年以内」には再塗装が必要になります。
ひび割れやチョーキング(剥離)などが現れたら、塗装の目安と考えて良いでしょう。
劣化症状
劣化症状としては、ひび割れが発生しやすいことです。主な原因は、下地のモルタルの収縮に追従できないために起こります。吹き付け塗装ですと塗膜が薄いこともひび割れにつながります。
劣化症状のクラック(ひび割れ)にも段階が有ります。
ポイント
<ヘアークラック>
一番小さいクラックはヘアークラックと言います。髪の毛と同じほどの細さのクラックです。塗膜上のもので、モルタルには影響していません。これはまだ補修の必要はなく、経過観察を行うレベルです。
<乾燥クラック>
もう少し大きなものは、乾燥クラックと言います。これはモルタルと塗膜のクラックです。横に入っている場合は雨水が侵入しやすく、対処が必要です。
<構造クラック>
一番大きなものは構造クラックです。幅0.3ミリ以上、深さ0.5ミリ以上で、モルタルと塗膜のクラックです。この大きさになると早急な対策が必要です。どのクラックの場合も、リシン塗装の場合は、専門家に確認してもらうことが大切です。
そのほか、凸凹が多いためにすきまに汚れが溜まり、カビなどが発生しやすくなります。汚れは美観の問題だけでなく、耐久性の低下にもつながります。
汚れだけであれば高圧洗浄で対策出来ますが、場所によっては足場が必要になる場合も有ります。
汚れが目立ってきて、場合によってはひび割れが気になるようになったら、リシン壁は再塗装を検討する時期だと言えるでしょう。
リシン壁の塗装費用
リシン壁の塗り替え費用は、「塗り面積」+「仮設足場」+「付帯部塗装」の合計で費用が算出されます。
そのほか、使用する「塗料の種類」によって、費用も異なります。
参考価格表(税別)ウレタン塗料使用の場合
建坪(塗り面積) | 塗り面積価格 | 仮設足場 | 付帯部塗装 | 合計 |
20坪(86㎡) | 34.4万円 | 10万円 | 10万円 | 54.4万円 |
30坪(128㎡) | 51.2万円 | 12万円 | 10万円 | 73.2万円 |
40坪(156㎡) | 62.4万円 | 15万円 | 12万円 | 89.4万円 |
塗装方法によって値段は変わりますが、一般的なローラー仕上げは「約4000円/㎡」の相場価格となっています。
※上記の単価では、「塗装3回塗り、高圧洗浄、下地調整、各種養生」の費用も含まれています。
リシン壁の塗装手順
リシン塗装の手順は、高圧洗浄、補修、塗替えの順番になります。
施工手順
①高圧洗浄
リシンの外壁は汚れが詰まりやすいので、丁寧に高圧洗浄をしていきます。
汚れやカビをきれいに落とします。高圧洗浄は1日で終わりますが、乾燥させるためにもう1日必要です。
②下地調整
その後、ひび割れが有れば、シーリング材を充填するなどの方法で補修します。
リシンはひび割れが起きやすい外壁ですので、よく確認して補修していきます。
③養生
塗装の前に養生を行います。
④塗装
リシン塗料はエアスプレーガンを使って吹き付けていくかローラーや刷毛を使って手塗りで仕上げていきます。
主剤を塗布する前に、シーラーという下塗り材を塗ります。それからリシン塗料の吹き付けもしくは手塗りを行っていきます。
リシン塗装の一般的な住宅での施工期間は、およそ10日間ほどです。
おすすめの塗料は?
下塗り材
下塗り材はシーラーが一般的ですが、ひび割れや凸凹面が目立つようであれば、塗装面を平滑にするフィラーを使います。
また、サフェーサーと言って、シーラーとフィラーの両方の良さを兼ね備えたものも有りますので、状況に応じて使い分けると良いでしょう。リシン塗料を均一に塗るためにも下塗り塗料の選定は重要です。
艶有り・なし
リシン塗料は、「ツヤ消しのタイプ」と「多少ツヤの有るタイプ」とが有ります。
落ち着いたタイプに仕上げたいのであればツヤ消しを選びます。三分艶など、艶を残したタイプも有るので、見本などを参照して好みのタイプを選びましょう。
本塗り塗料(弾性・低汚染塗料)
リシン塗装はひび割れが起きやすい塗料ですが、できるだけひび割れを防止したいという希望が有るようでしたら、ひび割れに追従して伸びる弾性塗料も有ります。
汚れやすい環境に建つ家でしたら、低汚染塗料も選べます。例えば大通りに面しているとか、川沿いに建っているなどの場合は、適しているかもしれません。
低汚染塗料の中にも種類が有り、雨が汚れを流してくれるセルフクリーニング機能を持つ塗料や、カビや藻に対する耐性を持つものなども有ります。
まとめ
最近はリシン塗装の家が少なくなりましたが、落ち着いた雰囲気の外観を気に入っている人も多く、注文住宅などでリシン塗装をする家も見うけられます。
ひび割れが発生しやすい性質のため耐久性は高くないのですが、適切なメンテナンスを行えば、長持ちする外壁です。
リシン壁は独自の特徴があるので、塗装業者を選定する際は、リシン仕上げに詳しい業者を選ぶことが大切です。
弾性塗料や微弾性フィラーなど、モルタル外壁との相性を考えた提案がされているかどうかなども、業者選びの判断材料になるでしょう。
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