タイル張りバルコニーは、見栄えがよくオシャレなのでタイルを張るお宅も多くなっています。
ですが、タイルも年数が経過してくる汚れやひび割れなど、様々な不具合も発生してきます。
そのような場合、タイル張りバルコニーは、どのようにメンテナンスを行っていけばよいのでしょうか?
ここでは、タイル張りバルコニーの「防水や補修」の必要性と施工方法について解説していきます。
バルコニーにタイルを張る理由は?
そもそもどうしてバルコニーにタイルを張るのか?
理由は大きく3つのタイプに分けられます。
見栄えが良い
タイル貼りはオシャレな雰囲気になりますし、カラーを工夫することで「華やかな印象にも落ち着いた印象」にも工夫ができます。
殺風景になりがちなバルコニーをタイルで彩ることができるわけです。
またバルコニーは光が建物に入り込んでくる重要な場所でもあります。
そのためタイルを明るい色や光を反射しやすい色にすると「部屋全体が明るくなる」メリットも期待できます。
日当たりなどで室内が暗い雰囲気になりやすい立地条件の場合にはとくにこの点のメリットが大きくなるでしょう。
一方、フローリングの床と同系統のカラーを選択すれば、バルコニーと室内が連続しているように見えることで全体が広く奥行きを持って見えるようになるのも魅力です。
2つ目は日常生活における実用性
タイルは滑りにくいメリットがあるため、「転倒のリスクを軽減」できます。
とくに雨の日や湿度が高い日のバルコニーは滑りやすく、高齢者や小さな子どもがいる家庭では少々不安も付きまとうものです。
バリアフリー対策の一環としても役立てられるでしょう。
植木鉢などを設置する場合でもこのすべりにくさはメリットになるはずです。
3つ目は耐久性の問題です
バルコニーにタイルを敷き詰めることで、雨風や太陽光の直射日光が「床(下地)」に直接当たるのを防ぐことができるので「耐用年数が長く」なります。
通常のモルタル下地や防水層では、「8年~10年」でメンテナンスが必要なのに対して、タイルでは「15年~20年」はノーメンテナンスで保てるでしょう。
タイルそのものが耐久性に非常に優れているのでメンテナンスの手間が省ける点も魅力です。
タイル張りのバルコニーは防水や補修が必要?
耐久性や防水性に優れているタイルですが、「15年~20年」以上経過してきたら、劣化状況によってタイル補修や下地の防水を行う必要が出てきます。
また、タイルの劣化を防ぐために「タイルに防水」を行うケースもあります。
簡易なメンテナンス方法順にみていきましょう。
タイルの補修
タイルそのものが紫外線の影響で劣化した結果「ひび割れ」てしまうこともありますし、タイルを接着しつなぎ合わせている接着モルタルや目地の材料が劣化して、「タイルが剥離」してしまう、「浮き上がってしまう」といった問題も出てきます。
また外れたりヒビが入ったりした部分に雨水が入り込んでしまうと劣化がどんどん加速してしまう悪循環に陥ることもあります。
ですから、状況によっては「タイルの補修」や「部分的に張替える」必要性があります。
下地の防水
タイルに問題が無くても、ある程度年数が経過してくると「タイル下のモルタルや防水層」は劣化してきます。
下地に「ひび割れ」など発生すると、隙間から雨水が入り込み雨漏りする原因ともなります。
また、厚めのタイルが下地の上に置いてあるだけのタイプだと、「ごみや汚れ、コケや藻」なども下に溜まるため清掃も行はなくてはなりません。
タイルがあるのでメンテナンス頻度は少なくなりますが、いずれは防水工事を行う必要があります。
タイルの塗装
タイルであれば、「防水性」に優れているため、屋根がついているバルコニー(ベランダ)だったらとくに防水工事をしなくても問題はないでしょう。
ですが、雨に晒されやすい環境の場合や、できるだけ長くよい状態を維持したい場合には防水(塗装)工事も検討しておくとよいでしょう。
工事といってもそれほど大規模なものではなく、表面を専用の塗料で塗装するだけでも、汚れ防止や多少劣化を遅らせることにつながります。
タイルのメンテナンス方法について
タイルのひび割れ補修
タイルや目地にひび割れが発生した場合には、ひび割れ箇所に「専用の補修材」で充填して穴埋めしていきます。
タイルのひび割れが酷い場合には、部分的に張り替えて交換を行っていくケースもあります。
下地の防水
タイルが置いてあるだけで脱着が可能な場合には、既存タイルを剥がして「下地の防水」を行い、またタイルをもとに戻していきます。
下地がモルタル仕上げの場合では、「ウレタン防水」または「FRP防水」を行い、下地がウレタンやFRP防水仕上げの場合には「トップコートの塗り替え」を行っていきます。
タイルの張替え及び防水
タイルがモルタル下地に接着されている場合には、既存のモルタルを解体して、下地を補修してから防水していきます。
既存タイルが再利用できないので、タイルを新しく交換する必要があり、もっとも費用が高額になってしまいます。
そのため、タイルを新しく張らずに、「ウレタン、FRPやシート防水」で仕上げてしまうケースも多いです。
最後に
タイル張りのバルコニーの耐久性は高いですが、さすがにある程度の年数が経過してくると「防水や補修」を行う必要がでてきます。
簡易的な補修から、大掛かりな防水工事までさまざまです。
タイルだから大丈夫と判断して、メンテナンスを放置してしまうと雨漏りの原因となるので注意が必要です。
放置してしまうと下地が腐食して、被害が悪化してしまうからです。
もし、雨漏りが発生していた場合には、早急に対処することをおすすめします。