サイディング壁では、タイル調などデザイン性に優れているものが多く多種多様なデザインが良さでもあります。
実は、そのデザインをそのまま生かす事ができる、「透明なクリヤー塗料」仕上げの人気がでてきています。
ここでは、クリヤー塗装とは何なのか、そのメリット・デメリットについて解説していきます。
クリヤー塗装とは?
サイディング壁には、デザイン性の優れた外壁材が数多くあります。
その外壁材に一般的な「色付きの塗料」を使用してしまうと、せっかくのデザインが一色になってしまい、とても勿体ないです。
そんなデメリットを解決して、既存のデザインをそのまま生かすことの出来る外壁塗装が「クリヤー塗装」です。
「クリヤー塗装」では、透明な塗料を使用しており、着色の顔料が入っていません。透明ですが、「耐久性、耐候性、防カビ、防藻性」効果があり、グレードも「シリコン、フッ素」があります。
透明なコーティングは、デザイン性に優れたサイディング壁にその効果を発揮します。
クリヤー塗装の施工方法
- 高圧洗浄
- 各種養生
- 下塗り(クリヤー塗装)
- 上塗り(クリヤー塗装)
- コーキング工事
クリヤー塗装でも、初めに「高圧洗浄、養生」を行うのは変わりません。
変わる点は、塗装の回数とコーキングの順番です。
通常の外壁塗装では、「下塗り、中塗り、上塗り」と3回塗りを行うのが基本です。
ですが、クリヤー塗装の場合は、下塗りが必要無く、仕上げ材の「中塗り、上塗り」の計2回塗り仕上げとなります。
その後、塗装を行ってから「コーキング」を行います。
塗装後に行う理由は、クリヤー塗装と変成シリコンの相性が良くないため、コーキングの上に塗装を行ってしまうと剥離の原因となるためです。
最後に清掃等を行って完了となります。
クリヤー塗装のメリット・デメリット
メリット
デザインを生かせる
サイディング壁のデザインを生かしたまま塗装を行えることです。
サイディング壁のタイル調にこだわっている方には、最大のメリットでしょう。
コーキングの上に塗装をしなくて良い
塗りつぶしの塗装の場合には、コーキングも同色で塗装をしないと見栄えが悪くなってしまうのでコーキングの着色をしていきます。
ですが、クリヤー塗装ではコーキングが後打ちで上から塗装をしないので、コーキング上の塗料の塗膜の割れを気にしなくても良くなります。
デメリット
劣化が進むと綺麗に仕上がらない
クリヤー塗装が行えるのは、「築10年」前後までが目安となります。
サイディング材が劣化した状態で塗装を行うと、塗料が透明なので傷みや汚れが目立ちます。
また、ひび割れ箇所に塗装をすると滲んだりして見栄えが良くありません。
これでは、外壁塗装を行う目的の一つである「美観を保つ」ことが難しくなります。
3分艶、艶無しはおススメできない
クリヤーには、艶あり、3分艶、艶無しがありますが、3分艶と艶無しを選択してしまうと、塗装をしたのかわかりずらいです。
塗っている職人も、どこを塗ったのか判断しずらいこともあり、塗り残しの可能性もでてきます。
また、施工中の写真等を撮ってもらはないと本当に塗ったのか、一般の方には判断できない場合があります。
サイディング壁以外にはおススメできない
モルタル壁やチョーキングの出るサイディング壁やALC壁にはおススメできません。
主に上記は着色塗料で美観効果を取り戻すため、下地の状態が悪い場合が多く、「ひび割れ」、「白い粉」など透明な塗料では、見栄えが良くならないのでおススメできません。
2度目の塗装が難しい
1回目に、クリヤーを塗った場合には、クリヤーの塗膜が落ちきるまで2回目は、一般塗料は使用できません。
コーティングの効果が強く、塗料がのらないためです。
もし塗る場合には、再度クリヤーでの塗装か、既存のクリヤーを剥がす必要があります。
また、フッ素・光触媒などのコーティングされた外壁材はクリヤーが塗装できません。
クリヤー塗装の塗料の種類
クリヤーは主に「シリコン」、「フッ素」があります。
シリコン
- 【日本ペイント】UVプロテクトクリヤー
- 【SK化研】シリコンクリヤーW
- 【菊水化学工業】ロイヤルセラクリヤー
フッ素
- 【日本ペイント】UVプロテクト4Fクリヤー
- 【SK化研】フッ素クリヤーW
- 【菊水化学工業】SPパワーフッ素クリヤー
最後に
クリヤー塗装は、主にタイル調のサイディング壁のお宅でよく行われる工法です。
既存のデザインを生かしたいという方には、クリヤー塗装がおススメです。