外壁のリフォームでよく使われる商品に金属サイディングがあります。
この金属サイディングの素材には、「アルミ」、「ガルバリウム鋼板」などがあります。
「ガルバリウム鋼板」のサイディングは知っている人も多いですが、「アルミ」のサイディングについては、どのようなものかわからない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、外壁リフォームで使われる「アルミサイディング」について、そのメリット・デメリットや販売メーカーなどについて解説していきます。
アルミサイディングの特徴は?
アルミサイディングの材質である「アルミニウム」は新幹線のボディにも使用されているほど「耐久性に優れ、かつ軽量」な素材です。
同じ金属系のガルバリウム鋼板と比較しても、「耐用年数」が長く、「断熱性」や「防錆性能」に優れており、非常に性能が高い外壁材となっています。
アルミサイディングのメリット
軽量性に優れる
アルミサイディングの特徴として挙げられるのが「軽量性」です。材料であるアルミニウムはとても軽い上に耐久性に優れた素材のため、新幹線やリニアモーターなどにも使われています。
YKKAP株式会社が製造販売しているアルミ外壁材「アルカベール」という製品を例にしてみると、1平米あたりの重さが「1.9kg」であり、これは一般的な厚さ「16mmの窒素系サイディング」と比較すると「約1/8」ほどの軽さのため、いかに軽量性に優れているかがわかると思います。
また、建材会社は重ね貼り工法を勧めてくることが多いですが、重ね貼り工法は外壁材を二枚重ねて貼ることになるため建物の総重量が増え、耐久性や耐震性に問題が出てくるなどのデメリットがあります。
しかし、アルミサイディングは軽量性に優れた特徴を持っているため、重ね貼りに適した材質であると言えます。
耐震性が良い
耐震性については、軽量性に関連付けられますが、アルミサイディングを外壁材に使用すれば建物の揺れによる影響が少なく、「耐震性」に優れます。
モルタル、窯業系などとは違い、揺れによる外壁のひび割れも無いため、メンテナンスコストを抑えることができます。
防錆性
アルミニウムは、「錆びに強い」といった特徴もメリットの一つとしてあげられます。
外壁は長年雨風にさらされますので、錆びにくいといった特徴はメンテナンスコストを抑えることができます。
防水性に優れている
外壁に雨水が侵入してしまうと、表面の外壁材だけではなく内部の断熱材や基礎、土台の腐食、劣化につながります。
アルミサイディングであれば、金属は水を弾きやすい特徴があるので他の材質と比較すると「防水性」に優れていると言えます。
断熱性、防音性も良い
現在販売されている金属系のサイディングのほとんどが、断熱材と金属表面材が一体成型された製品であるため「断熱性や遮熱性」に優れています。(金属系は熱を通しやすいため、そのデメリットをカバーしています)
そのため夏は涼しく、冬は温かいといったメリットがあります。冷暖房費などのコスト削減につなげることができます。
また、断熱性に優れているということは、すなわち「防音性」にも優れているということでもあります。断熱材は断熱、遮熱効果だけではなく、騒音や生活音の漏れを防いでくれます。
デザイン性
メタリックな質感でモダンな雰囲気が特徴です。最近では、レンガ調のデザインなどもあり、自分の好みにあったデザインを選択しやすくなっています。
アルミサイディングのデメリット
強い衝撃に弱い
アルミサイディングに強い衝撃が加わると、傷や凹みなどがつきやすく、大きな気温変化で形状が変形してしまうことがあります。
荷物や自転車などをぶつけてしまうと、傷がつきやすいです。
施工中にも、少しの衝撃で傷がついてしまうため、取り扱いが難しい商品です。
施工費が高い
アルミサイディングは、商品代も高く、施工にも手間がかかるため、費用がそれなりにかかります。
導入コストは高いため、将来的なランニングコストを考えての検討をおすすめします。
酸化しやすい
一般的に使用されているアルミよりもグレードの低いアルミを使用すると、酸化が起こりやすくなります。
ただし、一部抗酸化性能を持った製品もあるので品質とコストのバランスを考慮しましょう。
カラーバリエーションが乏しい
外壁塗装と比較すると金属系のサイディングはサイディングボードの色が限られています。
「ブラック、ホワイト、ブラウン、ブルー」など限られた色味になります。
アルミサイディングの施工方法
外壁にアルミサイディングを施工するには2種類の施工方法があります。
それは「重ね貼り」と「張替え」です。
重ね張りでの施工
まず、重ね貼りですが、既存の外壁の上から新しくサイディングボードなどを貼り付ける工事になります。
解体費用や廃材撤去費用などがかからないため、張替えをするよりコストがかからずに施工ができます。
既存の外壁材の上に、透湿シートと胴縁を取付けて施工して施工していきます。
張替えでの施工
次に張替えですが、既存の外壁を全て解体撤去し、新たにサイディングボードを取り付ける工事になります。
重ね貼りよりもコストがかかりますが、劣化が激しい場合に、断熱や耐震の補強工事ができます。
既存外壁を解体した後に、下地を補修して、透湿シート、胴縁を取付けて施工していきます。
アルミサイディング取扱いメーカー
YKK AP株式会社
HP:https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/exterior/alukaveil
YKK APでは、「アルカベール(アルミ)」、「アイアンベール(ガルバリウム鋼板)」を販売しております。
「アルカベール」シリーズには「モダン」、「木目柄」、「深絞り」があり、各メーカーの中でもアルミサイディングの取り扱いが豊富です。
このアルカベールシリーズは「軽量」で「耐久性」が高く、「錆びにくい」ため沿岸地域に適した外壁材です。
また、断熱性能にも優れており、おすすめの商品です。
旭トステム外装株式会社
HP:https://www.asahitostem.co.jp/item/dan/
旭トステム外装では「金属Danサイディングシリーズ」を販売しています。材質は主に「スチール系(ガルバリム鋼板、SGL)」を取り扱っています。
アルミサイディングは、現在「スタッコ」という商品があります。(2021/10現在:在庫無くなり次第終了商品)
販売終了後は、新しい商品がでるかもしれません。
最後に
アルミサイディングは軽量かつ耐久性に優れているため、とてもバランスの良い外壁材です。
ですがその反面、外壁リフォームを行うために、それなりに費用がかかる点がデメリットです。
導入コストと将来的なランニングコストをしっかりと考えて、検討していきましょう。