外壁を塗装する際、何色にするかで迷うことはあっても、艶の有無を気にすることはあまりないのではないでしょうか。
実は、外壁用の塗料には艶消しや3分艶をはじめ、いくつか艶の種類が存在します。
見た目やそれぞれのメリットやデメリットを把握し、用途に併せて検討してみましょう。
外壁塗装の艶には「3分、5分、7分」がある?
外壁の塗料には「艶消し、3分艶、5分艶、7分艶、艶有り」の5段階があります。
60度の角度で100%の光を当て、反射した光が70%以上であれば艶有りになります。
そこから徐々に7分艶、5分艶、3分艶と光沢度が下がります。
艶有りの塗装をした場合、外壁が光を反射し、目に入る光の量が多いためキラキラと輝いて見えます。
一方で、艶消しを使用した場合、外壁が光を乱反射し、目に入る光の量が少ないため眩しく見えないという性質があります。
艶有りのメリット、デメリット
メリット
艶があると見た目がツヤツヤでピカピカなので、見た目のキレイさからも「塗り替えた感」があります。
太陽の光が差し込むと、時には眩しい程反射します。それはまるで新築のような輝きがあります。
また、表面がツルツルと滑らかなので、汚れが付きにくく、防水性も高くなります。
カビやコケも付着しにくくなります。汚れが付きにくいことから劣化も遅く、艶なしよりも耐久性に優れ、耐用年数が1.5年~3年程度長い傾向にあります。
一般的な塗料の場合、期待耐用年数は十数年です。そのため、1~2割程度耐用年数が長くなることは大きな差があります。
デメリット
デメリットは、初めは艶やかな光沢があっても、年月とともに艶はなくなっていきます。
時間の経過に比例して、だんだんと艶消しのような状態になります。
また、外壁の色と艶の度合いによっては眩しすぎると感じることもあります。
艶なしのメリット、デメリット
メリット
艶なしの場合、塗り替えてから数年経っても風合いや雰囲気の変化が少なく、マットで落ち着いていて高級感を引き立たせます。
洋風はもちろん、和風や和モダンな家にも艶なしは似合います。
艶を抑えたい場合には、5分艶や3分艶などに調整することも可能です。
デメリット
一方で艶有りと比較した場合、耐久性は劣ってしまいます。
艶消しの塗料は、艶有り塗料に艶消し材を混ぜ合わせて作られているケースがほとんどです。
そのため、他の物質が混ざり、塗料としての機能面に影響が生じます。
耐久性が劣ると、外壁の寿命が短くなります。
そのほか、艶消しの塗料は、材料によっては価格が割高なケースがあります。
艶あり、なしの選び方(比較)
見た目で選ぶなら
艶有りなしで迷ったら、実際の塗料が塗られた「塗り板を見比べ」てみると良いでしょう。
塗り板は、使用する塗料メーカーから取り寄せることができます。
また、実際に近くの塗りたてのお家も参考になります。
新築のような光沢のある外壁を望んでいるのなら艶有りを、高級感のあるマットな仕上がりを望むなら艶消しがお勧めです。
耐久性で選ぶなら
機能性を優先させるのであれば、塗料の効果がそのまま発揮できる艶有りがお勧めです。
艶なしを希望しなければ、基本的には艶有りが使用されます。
艶有りは、標準使用なので、メーカー発表の期待耐用年数近くを求めるのであれば艶有りでしょう。
迷った場合の選び方
どうしても艶有りと艶なしで迷った場合には、ちょうその中間の「5分艶、3分」あたりでも良いかと思います。
仮に艶なしが良かったとしても、どちらにせよ数年で艶なしとなります。
艶あり、なしよりも、そのものの色が建物あっているかどうかを考える方に時間を使った方が良いでしょう。
最後に
艶有りと艶消しを比較した場合、耐久性や防水性、防汚性の点で艶有の方が勝っています。ですが、光の反射が強いと光り過ぎて目立ってしまったり、眩しく感じることもあります。
そういった場合には艶を好みによって調整して、落ち着きのある外観に仕上げることも可能です。また、艶の有無により塗装する色の明るさも使い分けることをお勧めします。
機能面や外観のバランスを検討し、理想の塗り替えを行いましょう。