横浜市港北区のS様邸にて外壁カバー工法を行いました。
外壁カバー工法とは、既存の外壁材を剥がさず、その上から新しい外壁材を張って仕上げていく工事です。
張替えと比べて、解体費やその処分費がかからないため、工期はもちろん、コストを抑えて工事が行えます。
ですが、重量の観点から使用できる材料は「軽量な外壁材(金属サイディング)」などに限定されます。
ここでは、その施工事例についてご紹介していきます。
外壁の劣化状況
全体的に旧塗膜と、その下地が剥がれ、素地のセメント質がむき出しとなっている状況でした。
このように下地が劣化してしまうと、塗装を行っても剥がれやすく、意味のない工事となってしまいます。
しかし、このまま放置していても、雨水を吸収して、さらに外壁材が剥がれてしまう原因となります。
このような状況下のため、施工主様のご要望で外壁の上から新しいサイディングを張っていく「カバー工法」で仕上げていく形となりました。
外壁カバー工法の施工事例
まずは、仮設足場を設置していきます。
新しい外壁材を上張りするため、各種器具の取外しを行っていきます。
取外しする器具は、エアコンカバー、換気口、配線関連、給湯器などです。
これらは上張り後に、再度戻します。
各種器具の取外し後、透湿シートを全体的に張っていきます。
透湿シートは、フクビ化学工業のスーパーエアテックを使用しています。
透湿シート張り後、下地の胴縁を新設していきます。
その後、各種役物を取付けていきます。
出隅に、出隅下地の取付け。
入隅下地の取付け。
水切板金の取付け。
目地となる箇所ににジョイナー(下地)を取付けます。
窓まわりや軒天、換気口などに、見切り材(止縁・スターター)を取付けていきます。
各種役物の取付け後、新しい外壁材を張っていきます。
新しい外壁材は、「アイジー工業のガルステージクリアJ」という商品を使用しました。
こちらは、金属サイディングのため軽量で、耐久性の高い素材となります。
※こちらの商品は現在廃盤となっております。
この外壁材を一枚一枚、ビス留めで張っていきます。
今回は、1Fと2F部で色を分けて、ツートンカラーで仕上げています。
外壁材張り上げ後、先ほど取付けた役物にキャップをしていきます。
出隅キャップの取付け。
入隅キャップの取付け。
ワンタッチコーナーきゃっぷの取付け。
各種、キャップ後にコーキングを行って仕上げていきます。
軒天との取合いにもコーキングを行って防水していきます。
目地にもキャップを取付けていきます。
金属の場合は、窯業サイディングと違い、目地のコーキングのメンテナンスが不要になるという点が大きな強みとなります。
金属製のキャップなので耐久性も高く、長期的にメンテンナンス不要となります。
その後、外壁以外の付帯部を塗装で仕上げていきます。
外壁材と少しでも耐久性を合わせるために、鉄部はフッ素系塗料で仕上げています。
最後に、施工前に取外した器具(エアコンホース、給湯器など)を戻して完了となります。
外壁カバー工法のビフォーアフター
ビフォー
アフター
ビフォー
アフター
工事期間は、約1カ月間の工事となりました。
そのほか、屋根や雨樋交換なども行っているため、全体的には1カ月以上の工期となっています。
外壁カバー工法は、塗装とは違い工期がかかりますので、その点は注意しておきましょう。
最後に
外壁も環境や年数に応じて、塗装ができないほど劣化し傷んでしまいます。そのような場合は、外壁の張替えやこのカバー工法を行う必要があります。
この2つでは、もちろん張り替えた方がメリットは大きいのですが、解体費や処分費といった予算がかかります。
そのため、雨漏り等なく、躯体に傷みがないのであれば、カバー工法もおすすめです。
カバー工法のメリットは費用以外にも、外壁材が2重となるため「雨漏りリスクの低減、断熱効果」が期待できます。
外壁リフォームをお考えの方は、この外壁カバー工法も是非ご検討してみてください。