近年では、数年前に発売された塗料で「ラジカル塗料」というものが人気が出始めています。
簡単な特徴としては、シリコンとフッ素塗料のちょうど中間位の耐久性が期待できると言われています。
まだまだ、認知度は低いですが、ラジカル塗料は紫外線などによる劣化を防ぐ画期的な塗料で、使用頻度は確実に増え続けています。
今回は、この新商品のラジカル塗料についてご紹介します。
ラジカル塗料とは?
ラジカル塗料とは、正確には「ラジカル制御型塗料」という言い方の方がわかりやすいです。
ラジカルとは、酸素や紫外線や水などが酸化チタン(顔料)に接触すると発生するものです。発生したラジカルによって、塗膜の劣化(チョーキング現象)などが起こります。
そんなラジカルの発生の「軽減・制御」を狙った塗料のことをラジカル制御型塗料と呼んでいます。ラジカルを抑制することによって、高耐久性・高耐侯性の塗膜が出来上がります。
主に下記2つが役割を担っています。
高耐候酸化チタン
ラジカル制御型塗料には、高耐候酸化チタンが含まれていて「ラジカルバリア」という効果があります。
ラジカルの原因の酸化チタンを、外に出さないようにする働きがあります。
光安定剤
発生したラジカルを捕まえて、発散を抑制してくれる働きがあります。
ラジカル塗料のメリット
高耐久性なのに比較的安い
ラジカル塗料の期待耐用年数は、「12年~15年」となっています。
シリコンが、「10年~12年」、フッ素が、「15年~20年」と、ちょうどシリコン、フッ素の耐久年数の中間の塗料となります。
更に、費用単価がシリコン塗料とほぼ同じです。
費用はほぼ変わらず、シリコンよりも「2~3年」長持ちします。
汚れに強い
汚れ防止性能が高い製品が多いのも特徴です。
美しいツヤと発色性に優れ、光沢があるので汚れを弾いて、長期間美しさを保ちます。
どのような下地にも塗装が可能
モルタル、コンクリート、金属サイディング、窯業系サイディング、ALC、木部、鉄部、ガルバリウムなどなど、多くの外壁材への使用が可能です。
ラジカル塗料のデメリット
ラジカル塗料のデメリットとしては、開発されたばかりの塗料なので、まだ普及していなことが挙げられます
発売されてから5年程度と実績が少ないので、耐用年数などの正確なデータがそろっておらず、性能に関する評価が塗装業者によって異なる傾向があります。
ラジカル塗料の商品
- 日本ペイント:パーフェクトトップ
- SK化研:プレミアムシリコン
- 関西ペイント:アレスダイナミックTOP
日本ペイント
ラジカル塗料では、日本ペイントの「パーフェクトトップ」が有名です。
作業中の塗料の飛散が少なく、水性なので安心して使えます。
日本ペイントが独自開発したラジカル制御技術によって、シリコングレード以上の耐久性を誇り、耐候形1種に相当する高性能です。
パーフェクトシリーズの「下塗り材」と組み合わせることで、より一層美しく仕上げることができます。
「3分つや、つや消し」などの商品もあり、つやの調整も可能。好みのニュアンスが出せるのも人気の理由となっています。
また、弱溶剤の「ファインパーフェクトトップ」もあり、パーフェクトトップよりも耐久性が少し上がります。
エスケー化研
エスケー化研の「エスケープレミアムシリコン」も、よく知られています。
トリプルガード機能によって耐候性・耐久性に優れ、なめらかに伸びる美しい仕上がりを実現しました。
関西ペイント
関西ペイントからは、「アレスダイナミックTOP」が販売されています。
紫外線による劣化を防止する「高性能シリコンレジン」を配合。
さらに、高性能シリコンレジンをくぐり抜けた紫外線を阻止する「UVトラップ」。
酸化チタンへ紫外線が届くのを防いでラジカルを発生しにくくする「ラジカルバリヤコート」。
発生したラジカルを無害化する「HALSラジカルキャッチャー」
上記4つの機能で、外壁を紫外線による劣化から守ります。
最後に
ラジカル塗料は、シリコン以上の耐久性でパフォーマンスが良いため、最近ではこの塗料を勧める施工店は増えています。
ですが、まだまだ実績が少ないのは事実なので使用するのに抵抗ある方も多いと思います。ただ、最低でもシリコンと同等の耐久性能(10年~12年)を発揮することは間違いないと思います。
費用単価もシリコンとほとんど変わりないので、是非検討してみてください。