業者の選び方

外壁塗装で気を付けたい手抜き工事「12項目」を解説

2017年7月31日

 

外壁塗装工事では、現在でも手抜き工事を行う施工店はまだまだいます。

手抜き工事をする最大の理由は、「人件費・材料費」を抑えるためです。主に、悪質な訪問業者でよく起こりますが、そのほか安さを売りにする業者でも注意が必要です。

ここでは、手抜き工事の内容やその回避方法などについてご紹介していきます。

 

外壁塗装で手抜き工事されるとどうなる?

 

手抜き工事をした場合でも、塗装した直後はとてもキレイに見えます。

ですが、「2、3年後」に通常工事と手抜き工事では差が出始めるので注意が必要です。

 

塗膜の劣化スピードが早い

 

数年で塗膜の劣化、ひび割れが発生してきます。チョーキングという壁を触ると白い粉が付いたり、ひび割れが発生します。

手抜き工事を行うと、通常で「8年~10年」持つものが、「2~3年」で劣化してしまうのです。

 

気泡・剥離が発生する

 

外壁の表面に、気泡(ふくれ)が発生したり、ボロボロと剥がれてくることがあります。雨が降っているときに塗装をして外壁材に水分を閉じ込めてしまうと水分が外に出ようとして気泡が発生します。

また、下地の調整をしなかったり、適正な工程を行わなかったりすると外壁の塗膜がボロボロと剥がれてきます。

 

外壁塗装での手抜き工事内容「12項目」

 

①高圧洗浄をしない

 

外壁塗装の前に必ず行う、「高圧洗浄をしないまま」作業に入ります。

「汚れやカビ・藻」が付着したまま塗装を行うと、高圧洗浄後のキレイな状態の時と比べて劣化スピードが早くなってしまいます。

 

②養生を雑に行う

 

アルミサッシなど、玄関扉、手すり、地面などにビニール養生をしますが、「養生をしなかったり中途半端」に仕上げます。

これでは見切りが甘くて、塗らない箇所に塗料が付着したり、美観が悪くなってしまいます。

 

③下地調整をしないでそのまま塗装

 

主に、木部の旧塗膜、鉄部の錆びた部分など凹凸が出来ているため、通常はケレン作業と言って、「サンドペーパー・皮すき」などで下地を整えてから塗装をします。

その作業をしないで、「そのまま塗装」を行っていきます。凹凸があるので、そのまま塗装しては直ぐに塗膜が剥がれてしまいます。

 

④目地コーキングをすべて増し打ち

 

基本的に、サイディング壁(縦目地のジョイント)に関しては、コーキングの打ち替えを行っていきます。

稀に、「打ち替えせずにすべて増し打ち」で済ませてしまう業者さんがいます。もちろん、打ち替えと比べて劣化スピードは早くなります。

 

⑤塗料の分量を計測していない

 

塗料には、分量器があって計測して混ぜ合わせていくのですが、「適当に混ぜてそのまま塗装」していきます。

シンナーや水が多いと、仕上がりが悪くなり、劣化スピードも早くなります。

 

⑥そもそも違う塗料を使用している

 

「見積書と相違のある塗料を使用している」業者さんも稀にいます。

塗料缶は、指定の塗料ですが中身が違っていたりすることがあります。このようなことをするのは、もはや手抜きというよりも悪質な業者に当てはまります。

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⑦塗料を薄めて使用する

 

水性塗料に多いですが、水で分量以上に「薄めて塗装」をしていきます。

もちろん、仕上がり、耐久年数は下がります。

 

⑧乾燥してないまま次の塗装を行う

 

塗装では、3回塗りが基本ですが1回目を塗った後に「乾かないまま2回目」を塗っていきます。乾かないまま次の塗装を行うと、本来の効果が得られずに劣化スピードが早くなります。

また、2回塗っても1.5回分の塗装をしたことにしかなりません。

 

⑨2回塗りしかしていない

 

3回塗りの工程を2回塗りで終らせてしまいます。

また、中塗り時に同一面を一往復して塗ったことを上塗りとしていしまっている業者さんがいます。

実質これでは、下塗りと中塗りの「2回しか塗っていない」こととなり2回分の塗膜効果しか得られません。

 

⑩雨が降っても作業を行う

 

朝方に雨が降っていて壁面が濡れているのに塗装を行ったり、雨が降ってきても塗装を続けます。

水分を含んでいる外壁に塗装を塗ってしまうと塗膜が薄まり本来の耐久効果を得られません。また、気泡が発生するなどの原因に繋がります。

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⑪とにかく早く仕上げる

 

人件費を抑えるために、急いで仕上げていきます。この手抜き工事は、とくに多いと思います。

雑な工事で細部の見栄えが良くなく、質も悪いので耐久性も落ちやすいです。

 

⑫新人、若手(歴の浅い)の職人が作業する

 

職人の人件費を抑えるために、若い職人(職人歴が浅い)をメインで使ったり、外国の職人が作業を行います。

職人の業界では、ベテラン職人になるほど日当(人件費)が高くなります。一日の人件費が「1万円」の若手と「2万円」のベテランでは、大きく費用が異なるのです。

新人、若手や外国の職人がメインで入ると、作業レベルの差が出て、外壁塗装の仕上がりに大きく影響してきます。

 

外壁塗装で手抜き工事が起きやすい理由

外壁下塗り

 

外壁塗装で手抜き工事が起きやすい理由には、作業する職人の問題と外壁塗装における工程の問題があります。ここでは外壁塗装で手抜き工事が起きやすい理由について解説していきます。

 

元請け業者が利益を追求するケース

 

依頼主から工事を受けた元請けが塗装作業を下請けした依頼するケースはよくあります。その場合に、元請けが利益を優先してしまいやすく、実際に作業を行う下請け業者への費用が不足することにつながります。

そのため、下請け業者は少ない費用の中で作業を行うかわりに、最終的な仕上がりや耐久性の責任も少なくなります。依頼主とのやり取りや交渉は元請け業者が行うことが多く、塗装作業への責任感が薄れることで手抜き工事が起こりやすくなります。

 

塗装完了後では発見するのが難しい

 

外壁塗装で手抜き工事が起きやすい理由は、塗装完了後では手抜き工事を発見することが難しいという「外壁塗装の工程の問題」があります。

外壁塗装の工程は高圧洗浄に始まり下地調整や養生、さらに下塗り、中塗り、上塗りと作業工程が同じ外壁材の上で重なっていきます。高圧洗浄や下地調整など初期に行った作業は最終的な仕上がりの段階では確認することができません。

外壁塗装の完了後では手抜き工事を行っていたとしても見た目の不備は解消されていることが多く、手抜きがあったのかどうかを発見することは難しくなってしまうのです。

 

手抜き工事を発見した際の対処方法

業者と話し合い

 

外壁塗装中に手抜き工事を発見した際の対処方法は2つあります。ここでは手抜き工事を発見した際の対処方法を紹介していきます。

 

業者に手直しを依頼する

 

手抜き工事を発見した際はすぐに業者に手直しを依頼しましょう。この場合は、実際に作業をしている職人に伝えるのではなく、そこの現場責任者や営業担当に伝えましょう。

ですが、手抜き工事かどうかの判断は曖昧なことも多く、難しい場合もあるでしょう。そのため、気になったらまずは質問をして状況を確認することが大事です。

 

第三者機関に相談する

 

手抜き工事を発見した際の対処方法として第三者機関に相談する方法があります。施工業者に手抜き工事の対応を拒否されてしまった場合には、第三者機関に相談する必要があります。

外壁塗装に関する相談に乗ってくれる第三者機関には消費者生活センターなどがあります。ただし、塗装工事の完了後では手抜き工事があったことを特定することが難しくなります。手抜き工事の手直しをしてもらえない場合には、手抜きが行われている箇所を撮影するなどの対策が重要になります。

 

外壁塗装で手抜き工事を回避する方法

 

外壁塗装で手抜き工事を回避するためには、「業者選び」がとても重要となってきます。

お見積りの段階で、下記の内容を基準に比較していきましょう。

 

地元の業者を選ぶ

 

地元の業者の場合、手抜き工事をして悪い噂が出ると、地元で活動しづらくなるため下手な工事が行えません。

手抜き工事を行うことはデメリットでしかありませんので、良い施工を行ってくれるケースが多いです。

 

時間をかけて点検をしてくれる

 

外壁塗装を依頼する際には必ず現地調査として建物の点検を行います。建物の築年数や構造はもちろん、使用されている外壁材や塗膜の状態など経年劣化の状況を判断する重要な作業です。

実際の建物の状況から外壁塗装で使用する塗料や施工方法を検討することが一般的です。

30坪程度の建物の場合でも丁寧に点検をするには1時間から2時間程度の時間が必要になります。5分や10分程度で点検が終わってしまう場合や、そもそも現地調査や点検を行わずに見積もり書を作成する業者には注意が必要です。

 

資格や許可を確認する

 

外壁塗装業者が保有している資格や許可を確認することが大事です。

一般的な住宅の外壁塗装を行うために必要な許可はありませんが、外壁塗装の規模や工事請負金額が500万円以上の大きな工事を行う場合には建設業許可が必要になることもあります。建設業許可を取得するためには、5年以上の経営実績や10年以上の実務経験、500万円以上の資金力などが必要です。

また実際に作業する職人が塗装技能士などの資格を保有しているかどうかも確認することが大事です。塗装技能士を取得するためには、現場作業の経験年数が必要になります。見習いや若手の職人では取得することができないため、作業する職人が塗装技能士を持っていることは技術力の保証にもつながります。

 

保証年数を確認する

 

外壁塗装では、塗膜保証が「5年以上」あることが一般的です。保証年数を設けていると、万が一の場合に対応をしなければいけないため、手抜きはできません。

そのほか、アフターメンテナンスではどのような対応を行うのか確認を取っておくと良いでしょう。

 

施工実績を確認する

 

過去に施工を行った現場をみせてもらうのも良いです。「2~3年」経過した現場が、美観を維持できているのかを確認すると作業レベルがわかります。

また、実際に作業している現場をみせてもらい、どのような職人がどのような施工を行っているのか確認していくのも良いでしょう。

 

相見積もりを行う

 

施工店を、複数社で比較検討していくことが、一番の手抜き工事を回避できる方法でしょう。

それぞれの施工方法や費用はもちろん、営業担当の「説明のわかりやすさや人柄」は判断基準となります。安さを売りにしている会社や工事内容の説明が曖昧な業者を見抜くことができて、手抜き工事回避につながります。

 

工事中の作業報告や写真を提出してもらう

 

外壁塗装工事中の作業報告や写真を提出してもらうことで手抜き工事を避けることができます。外壁塗装で行う各工程の写真や作業報告書の随時報告や、使用した塗料の空き缶などを残しておくよう伝えるで工事後のトラブルへの備えにもなります。

また作業報告や写真提出を依頼することは実際に塗装作業をする職人の意識にも良い影響を及ぼします。

 

外壁塗装を安さだけで選ばない

 

外壁塗装は、一般的なお宅で「80万円~120万円」と、とても高額な工事内容です。そのため、少しでも安く工事を抑えるため格安な業者を探す方も多いと思います。

外壁塗装に限らずにどんな買い物でも安く抑えたいと思うのは当然のことだと思います。しかし、安さの裏にはそれなりの理由がありますので、しっかりと見極めなければなりません。

 

格安工事は手抜きが多い?

 

外壁塗装に関して「格安」は危険な場合が多いので、安さを売りにしている業者さんはあまりおススメできません。

外壁塗装での格安は手抜き工事につながりやすいからです。しっかりと手間をかけて丁寧に施工した場合には、それなりの「工期・手間」がかかってきます。

 

外壁塗装は手を抜けば簡単に安くできる?

 

正直、外壁塗装という工事は安くしようと思えば簡単に安くできてしまう工事内容です。

すべての業者さんがそうとは言い切れませんが、塗装工事の費用のほとんどは手間代です。費用が相場より安ければ安いほど、手間が少なく手を抜かれている可能性は高い傾向になります。

 

 

最後に

 

外壁塗装工事では、このように「手抜き工事」をしようと思えば簡単にできてしまいます。

一般の方ではわからないので、予算を抑えるために作業に手を抜く業者さんはまだまだ現在でもいます。このような業者さんに依頼しない為にも、相場をしっかりと確認して、よく検討して選んでいくことが大事です。

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