モルタル壁は、新築から10年前後で「ひび割れ・チョーキング・カビや汚れ」などが発生して雨漏りの原因や美観を損ないます。
放置してしまうと、内部の躯体やモルタルの剥がれや割れが拡大して、快適な住まいに影響が出ます。
そのため、モルタル壁には雨や風、紫外線からの影響から守るため定期的な塗装によるメンテナンスを行うのが一般的です。
ここでは、モルタル壁の特徴や塗り替え費用について簡単にご紹介していきます。
モルタル壁の塗り替え時期は?
モルタル外壁ですが、モルタル外壁は「壁に砂、セメント、水」を混ぜて作られたモルタル壁用の材質を直接壁に塗っていき防水の為の外壁塗装を施し完成させてく壁です。
新築時の外壁塗装も10年前後で塗膜が劣化するため、再度塗り替えを行っていく必要があるのです。
基本的には、「10年サイクル」で塗り替えを行うのが主流となっていますが、2回目以降は、使用した塗料の種類によって塗り替えサイクルが異なってきます。
塗料による耐久年数の違い
塗料の種類 | 期待耐用年数 |
アクリル塗料 | 6年~8年 |
ウレタン塗料 | 8年~10年 |
シリコン塗料 | 10年~12年 |
ラジカル塗料 | 15年 |
フッ素塗料 | 18年~20年 |
モルタル壁の主な劣化症状
外壁のひび割れ(クラック)
モルタル壁の代表的な劣化症状と言えば、外壁材のひび割れです。防水効果が切れた、モルタル壁は雨水を吸い込みます。
雨の日に雨水を吸収して、晴れの日に乾いてを繰り返すと、「膨張と収縮」で外壁材が割れてきます。
また、地震などの揺れで、割れてしまうケースも多く、ひび割れから雨水が入り込むと、内部を傷めてしまう原因となります。
塗膜の劣化(チョーキング)
外壁材の塗膜は、日々「雨風、紫外線」の影響で劣化して防水機能が低下してきます。
外壁材を手で触り、手に白い粉(チョーキング)が付着した場合、塗り替え時期となります。
また、外壁材にホースで水をかけて、水をはじかず染み込んでしまった場合も塗り替えの目安となるでしょう。
外壁材を守っている塗膜が劣化すると、「ひび割れ」の原因となり、最悪雨漏りにつながってしまいます。
塗膜の剥離や剥がれ
外壁材の経年劣化によって、ひび割れ箇所などから雨水が入り込んで、湿気で表面の塗膜が剥離したり、剥がれたりするケースがあります。
外壁材と塗料の密着効果が薄れて、起きる現象です。
また、「施工不良」によって起きる場合もよくあり、下地調整が甘かったり、下塗りを省いた、雨の日に作業した場合などでも数年でこのような症状がでてくることもあります。
塗膜が剥がれた箇所は、防水機能がありませんので、雨水の影響を受けて劣化が促進してしまいます。
モルタル壁の塗り替え費用は?
モルタル壁の塗り替え費用は、「塗り面積」+「仮設足場」+「付帯部塗装」の合計で費用が算出されます。
そのほか、使用する「塗料の種類」によって、費用も異なります。
参考価格表:シリコン塗料使用の場合
建坪(塗り面積) | 塗り面積価格 | 仮設足場 | 付帯部塗装 | 合計 |
20坪(86㎡) | 34.4万円 | 12万円 | 10万円 | 56.4万円 |
30坪(128㎡) | 51.2万円 | 14万円 | 10万円 | 75.2万円 |
40坪(156㎡) | 62.4万円 | 16万円 | 12万円 | 90.4万円 |
塗装方法によって値段は変わりますが、一般的なローラー仕上げは「約4000円/㎡」の相場価格となっています。
※上記の単価では、「外壁3回塗り、高圧洗浄、下地調整、各種養生、現場管理」の費用も含まれています。
モルタル壁の塗り替えに使用する塗料は?
モルタル壁の、劣化原因でもっとも多いのが「ひび割れ(クラック)」です。
このひび割れを防ぐために、適切な塗料として「弾性塗料」が選ばれています。
そして、弾性塗料を使用した施工方法は、主に3つあります。
- 複層弾性塗料
- 単層弾性塗料
- 微弾性塗料
弾性塗料は、弾性機能(伸び縮み)があるため、通常塗料よりも、ひび割れなどを防ぐ効果が期待できます。
弾性塗料を使用した施工方法
複層弾性塗料仕上げ
複層弾性塗料仕上げは、もっとも高い耐久性が期待できる施工方法となる「5回塗り」仕上げです。
- 下塗り(シーラー)
- 高弾性中塗り材(1回目)
- 高弾性中塗り材(2回目)
- 上塗り材(1回目)
- 上塗り材(2回目)
20年近くの弾性機能を維持できることから、ひび割れによる劣化が酷いモルタル材での施工に選ばれています。
ですが、耐久性に比例して、費用も高額です。
近年では、その他の塗料パフォーマンスも向上しているため、費用面から複層弾性塗料で仕上げるケースは少なくなっています。
単層弾性塗料仕上げ
単層弾性塗料は、高弾性塗料を上塗りで使用して仕上げていく「3回塗り」の施工方法です。
複層弾性塗料仕上げから「2工程」減らした、仕上がりとなっています。
- 下塗り(シーラー)
- 高弾性上塗り材(1回目)
- 高弾性上塗り材(2回目)
複層弾性塗料仕上げと比べて、耐久性は劣りますが、費用面(材料代・人件費)が大きく抑えられます。
また、仕上げ材の「高弾性上塗り材」の品質も年々向上してきています。
微弾性塗料仕上げ
微弾性塗料仕上げは、下塗りに微弾性フィーラーを使用して、上塗りは通常塗料で仕上げる「3回塗り」の施工方法です。
- 下塗り(微弾性フィラー)
- 上塗り(1回目)
- 上塗り(2回目)
微弾性なので、高弾性塗料と比較すると耐久性は劣ります。
ですが、費用面も抑えられて、上塗り塗料も自由に選べるというメリットがあります。
比較的、ひび割れの状況が少ない建物では、もっとも多く選ばれている施工方法です。
モルタル壁によく使用される上塗り塗料
シリコン系
- 日本ペイント:ファインシリコンフレッシュ
- 関西ペイント:セラMシリコンⅢ
- SK化研:セラミシリコン、クリーンマイルドシリコン
ラジカル系
- 日本ペイント:パーフェクトトップ
- 関西ペイント:アレスダイナミックTOP
- SK化研:プレミアムシリコン
フッソ系
- 日本ペイント:ファイン4Fセラミック
- 関西ペイント:セラMフッソ
- SK化研:クリーンマイルドフッソ
無機塗料
- 日本ペイント:パーフェクトセラミックトップG
最後に
モルタル壁の塗り替えは、新築後「10年」前後に行うのが目安で、次回以降は塗料の種類によって異なってきます。
塗料の種類は、「ウレタン、シリコン、ラジカル、フッソ」などがあり、塗膜の期待耐用年数がそれぞれ「8年~20年」と耐久性が違うためです。
そのほか、モルタル壁の塗り替え目安としては、「ひび割れや、塗膜の劣化、塗膜の剥がれ・剥離」の症状がでたら、検討時期に入ってきます。
モルタル壁の場合には、とくに「ひび割れ」が発生しやすく、対処方法として適切な塗料選びが重要となります。
塗料以外にも、施工方法も3パターンほどありますので、状況によって比較して選んでいきましょう。
モルタル壁の塗り替え費用は、主に「施工面積」、「塗料の種類」、「施工方法」によって異なりますが、おおよそ「65万円から110万円」くらいが一般的です。
正確には現地調査と打ち合わせを行うしかありませんので、気になる方はお見積りをご依頼ください。