最近は、デザインを意識して庇(霧除け)を設けない家も増えてきました。
ですが、庇は雨風や日光を防ぐ大切な役割を担っています。
とくに和風デザインの家では、庇が多く使われています。
ここでは、庇の役割や経年劣化による「塗装でのメンテナンス方法」やその「費用」についてご紹介しています。
庇(霧除け)の役割について
庇とは、窓やベランダなどの上部につけられた小さな屋根のことです。
庇の役割は、帽子のツバの部分と同じで、強い日差しや雨から家を守る事です。
庇があれば、直射日光を避けることができ、家の中の温度が急激に上がることを防いでくれます。
また、雨風が直接家に当たるのを防ぎます。
庇の材質は様々あり、家のデザインなどと合わせて選ばれています。
木のぬくもりが感じられる木製のもの、透明なガラス製のもの、さびにくく、軽量であるため選ぶ人が多いアルミ製のもの、防火性に優れているガルバリウム製のものなど様々です。
庇(霧除け)の劣化症状と塗装時期は?
家を守るための庇ですが、長期にわたる「雨風」、「直射日光」にさらされているため経年劣化により傷んできます。
汚れが付着したり、コケやカビが繁殖したりして腐食した庇は、やがて落下したり雨漏りしたりするようになります。
庇自体の耐用年数は、何も補修をしない場合では「20年程度」と言われています。
ですが、庇は塗装をするだけでも長持ちさせることができます。
屋根や外壁の塗装は10~15年程度に1回くらいで塗り替えを行うのが一般的なので、庇も同じくらいのサイクルで塗り替えると、庇を保護することができ、長く使っていくことが可能になります。
庇(霧除け)塗装の費用単価について
庇塗装の費用単価(ウレタン塗料2~3回塗り)
外壁塗装セット:「¥1500~¥3000円/箇所」
庇塗装単体:「¥15000円~」
外壁とセットでの庇塗装の場合
庇の塗装費用単価は、その大きさにもよりますが、小さいものだと「1500円/箇所」、大きいものだと「2500円/箇所」程度になります。
この単価は、外壁塗装や屋根塗装などと一緒に施工を行った場合の単価となります。
庇塗装単体の場合
庇だけを単体で塗装する場合には、その他諸経費が発生するため割高となります。
塗装時に出た廃材などの「処分費用」、施工する時に塗装しない場所を養生する際の「養生費」、「運搬費」、工事車両の「駐車場代」などが経費としてかかります。
作業工賃、諸経費合わせると総額で「1.5万円~」程度です。
梯子で作業できない場合
梯子や脚立で塗装作業が行えない場合では、仮設足場が必要となります。
仮設足場費用相場 「¥30,000円~¥100,000円」
(施工範囲によって、費用は大きくなります)
庇が腐食して塗装が出来ない場合
庇が腐食していると、塗装が出来ないケースがあり、補修や交換をする必要があります。
仮に庇の補修や交換を行う場合には、庇の素材にもよりますが、「3万円~15万円程度」です。
庇(霧除け)塗装の施工手順と最適塗料
一般的な庇塗装の施工手順は以下のようになります。
(1)下地処理
下地処理では、ワイヤーブラシなどで塗装面の「コケや汚れ、旧塗膜」をしっかり落として下地を整えていきます。
外壁塗装と一緒に施工する場合には、高圧洗浄でコケや汚れを取り除きます。
そうすると塗料が庇に密着しやすくなるためです。
この下地処理を怠ると「2~3年」で塗装が剥げてしまうこともあるので、大切にしたい工程です。
下地処理をしっかりすると塗装が仕上がった後の見た目がとても変わります。
(2)下塗り
塗装するものに適した下塗り材を塗っていきます。
庇の鉄部には「錆止め」を使用していきます。
木部には、「シーラー」や「上塗り用塗料」を下塗りとして一回塗っていくケースが多いです。
下塗り材は、サビの発生を抑え、また上塗りが定着しやすくなります。
庇を長持ちさせるために丁寧に行いたい工程です。
塗る箇所が広い場合は、ローラーを使い、狭い場合は刷毛で細かく塗っていきます。
(3)上塗り
上塗りに使用する塗料はグレードによって耐用年数、つまりどれくらいもつかが変わってくるので、用途に合わせて塗料のグレードを選ぶ必要があります。
上塗りは2回に分けて行うことで塗装のもちも良くなります。(下塗り含めて計3回)
庇塗装に適した塗料ですが、「ウレタン、シリコン、フッ素」から選べば良いでしょう。
上記の中では一番耐久性の低い「ウレタン塗料」ですが、木部や鉄部の塗装には比較的相性が良です。
シリコンやフッ素を使用した場合と比べて、外壁塗装とは違いそこまで耐久性に大きな差はでないでしょう。
最後に
庇は雨や風から家を守ってくれる大切な屋根です。
庇をメンテナンスすることは、家を守ることにつながります。
外壁塗装などを行う場合は、一緒に庇のメンテナンスも行っていきましょう。