漆喰

 

屋根瓦のお家の方で、突然屋根から白い塊が落下してきたことはありませんか?この白い塊の石みたいなものを「漆喰(しっくい)」といいます。

この漆喰は年数の経過とともに劣化して、ひび割れや剥がれなどさまざま不具合が生じてきます。そのため、定期的にメンテナンスを行う必要性があります。

ですが、屋根瓦の漆喰の重要性はあまり知られておらず、放置されてしまうケースがほとんどです。

そこでここでは、屋根瓦の漆喰補修の必要性その費用や施工手順について詳しく解説していきます。

 

 

屋根瓦の漆喰(しっくい)とは?

 

まず漆喰(しっくい)とは、屋根瓦のてっぺんの棟部分に塗り固めて施工されている「白色」の詰め物です。

原料は、消石灰(水酸化カルシウム)に糊(のり)やスサを加えて、水で練ったものとなります。

この漆喰は「瓦、石材の接着や目地の充填」を目的として使われています。

また、近年では「なんばん漆喰」という材料が主に使われるようになりました。「なんばん漆喰」とは、消灰石、炭酸カルシウム・砂・その他(繊維、防水剤(シリコンを含む)、硬化遅延剤、不凍液)が使用された漆喰よりも防水性の高い材料と言われています。

この「なんばん漆喰」は棟瓦に使われる葺き土の変わりとなり、土台形成のためにも使用されます。

 

屋根漆喰補修の必要性について

 

瓦屋根ってメンテンナンス不要じゃないの?って思われている方も多いですが、屋根瓦に塗られている漆喰は定期的な補修が必要なります。

ではなぜ必要なのか解説します。

 

葺き土の劣化を防ぐ

葺き土の劣化

 

棟瓦の内部には、「葺き土」という瓦を固定させる「泥や粘土」のような材料が使われています。

この葺き土は、棟瓦を固定させるために重要な役割を担っていますが、その葺き土を保護しているのが「漆喰」となります。

つまり、漆喰が劣化して剥がれてしまうと、この葺き土も剥がれてしまい、棟瓦の歪みや崩れてしまう危険性があるのです。

棟瓦の歪みや崩れを防ぐためにも漆喰を塗って葺き土をしっかりと保護していく必要があるのです。

 

雨漏りのリスクを防ぐ

雨漏り箇所

 

漆喰は、棟瓦からの雨水の侵入を防ぐ役割も担っています。

漆喰が無いと「鬼瓦・棟瓦の取合いや三日月部分」から雨水がそのまま瓦下に入り込んでしまいます。

瓦の下には2次防水の「ルーフィングシート」があるため、すぐには雨漏りしませんが、長期間雨水が入り込むとダメージを受けて破損してしまう可能性があります。「ルーフィングシート」が破損すると、そのまま建物内に雨水が入り込み雨漏りが発生してしまいます、

このような状況を防ぐためにも、漆喰を塗って雨水を防ぐ必要があるのです。

 

屋根漆喰補修の費用はどれくらい?

漆喰補修

 

屋根漆喰補修の費用単価

 

屋根瓦の漆喰補修を行う施工箇所は、「三日月の部分」と「鬼瓦まわり」に行います。

 

漆喰補修の費用単価

三日月の漆喰補修:「¥3500~5000円/m」

鬼瓦の漆喰補修:「¥3000~5000円/か所」

 

棟瓦には、裏表に三日月の漆喰箇所があり、上記は「半面のm単価」となります。

両面施工の場合では、この費用の2倍かかってきます。全体的価格では、だいたい「20m」の漆喰補修で「8万円~10万円」くらいが目安となります。

費用単価に幅があるのは、「屋根勾配」や「下地の状態」によって作業効率や作業時間に差が出るためです。

そのほか、漆喰補修を行うために「仮設足場」や勾配によっては屋根用の「屋根足場」が必要となり、足場代が別途かかります。

 

漆喰補修の費用が少し割高な理由とは

 

漆喰補修工事は工期に比べ、少し割高に感じることが多いのですが、それは主に「人件費と足場代」にかかってくるものです。

なぜ人件費が高額になるかというと、漆喰を塗りなおす作業は職人の技術がとても重要となるからです。尚且つ、高所作業であり、作業する姿勢が危険で、体を壊しやすいためです。

漆喰作業は、熟練の技術が必要であり、作業にリスクがあるのが、少し割高になってしまう理由となります。

 

屋根漆喰補修の施工の流れ

 

漆喰補修の主な施工手順は、「下地調整」、「養生」、「漆喰塗り」、「清掃」を行い、工期は、おおよそ「1~3日間」で仕上がります。

 

下地調整

漆喰の下地調整

まず「葺き土と呼ばれる下地の土」が見えるまで崩れた漆喰をはがし、葺き土を整え湿らせて漆喰の定着をよくする下準備をします。

その後、削った漆喰を清掃して養生に入っていきます。

漆喰塗り

漆喰補修

下準備完了後、下地部分に「なんばん漆喰」を塗っていきます。

ここで熟練の職人の技術が必要となります。漆喰をコネながら塗っていくのですが、上手く仕上げないとすぐに剥がれてしまいます。
また、漆喰を塗る厚さの調整も難しく、慣れていないと薄塗りや反対に厚塗りしてしまう傾向にあります。施工不良があると、また剥がれてしまう原因になってしまいます。

仕上がり

大屋根アフター

漆喰の作業は「見た目の美しさ」かつ「崩れにくさ」を重視して仕上げます。

漆喰施工の完了後の屋根は汚れやすいため、瓦屋根や建物周辺を念入りに清掃して完了となります。

最後に

 

漆喰は、経年劣化によって表面が剥がれてくるため、定期的にメンテナンスが必要な箇所となります。

補修方法は、下地調整を行い、新しい漆喰を塗っていく作業となります。工期は、1~3日間で完了となり、比較的短期間で完了します。

その工期に対して、工事金額が「25~50万円(足場代含む)」かかるため、割高に感じる方も多いです。しかしながら、高所作業で危険が伴い、経験と技術が必要な工事なので、それに応じた費用となります。

漆喰は、劣化してから放置してしまうと雨漏りの原因にもなります。漆喰がボロボロと剥がれ落ちてきたら、早めのメンテナンスをご検討ください。

 

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