屋根リフォームの施工方法には、「屋根塗装」、「屋根カバー」、「屋根葺き替え」があります。
この中で、もっとも安価で手軽に行えるのが「屋根塗装」です。
ですが、「屋根の劣化状況」や「将来的なランニングコスト」を考えた場合では、どの施工方法がベストなのでしょうか?
屋根塗装よりも葺き替え(カバー)が適している屋根の状態と、それぞれのランニングコストについてご紹介していきます。
屋根塗装よりも葺き替えがベストな劣化状況
屋根塗装は、既存の屋根材に塗膜を施して、雨水や風や紫外線から素材を守ってくれる働きがあります。
安さというメリットは大きいですが、屋根の状態によって屋根塗装が適さない場合もあります。
状態が悪い屋根に塗装を行っても、数年で塗膜が剥がれたり、雨漏りしてしまうケースがあるためです。
屋根塗装が適さない屋根の状態はどのようなものなのでしょうか?
経年劣化が進んだスレート屋根
築20年以上経過して、まだ屋根リフォームを一度もされていない場合には注意が必要です。
基本的には、化粧スレート屋根の寿命は、ノーメンテナンスで20年前後と言われています。
20年以上経過したスレート屋根の場合、屋根塗装を行い効果が期待できる確率は「70~80%」です。
逆に、「20~30%」のお宅では、屋根の素材が悪く塗装できない状態にある場合が多いです。
劣化が進んだ屋根材は、「人が乗るとバリバリ」と割れ、塗装を行っても数年で「塗膜の剥がれや剥離」が始まり長く効果を維持できません。
そのため、数年でまた塗装が必要となり、塗装費用が無駄になってしまいます。
このような場合には、「葺き替え(カバー)」を視野に入れていくと良いでしょう。
3回目の屋根塗装
10年ごとに屋根塗装を行い、3回目以降に塗装を行う場合には注意が必要です。
3回目ということは、築30年目ということです。
- 10年目:1回目
- 20年目:2回目
- 30年目:3回目
屋根材も「30年以上」経過すると、いくら塗装で保護してきていても、素材自体の劣化が進行していて効果を発揮できない場合があります。
いわゆる屋根材の寿命です。
塗装では素材の劣化スピードを遅らせることはできても、劣化を止めることはできません。
3回目の塗装を行う際には、塗装を行うのか葺き替え(カバー)を行うのか慎重な判断が必要となってくると思います。
雨漏りした屋根
屋根から雨漏りが発生した場合に、屋根塗装では解決できない可能性が高いのでおススメできません。
稀に、雨漏りしたら塗装を行えば問題ないと言われる方もいますが間違いです。
屋根の構造上、スレート屋根のことを「一次防水」と言います。
その下に防水シートが張ってありますが、それを「2次防水」と言います。
この1次防水と2次防水で屋根を守っているのですが、雨漏りをしたということは2次防水が破けたり、傷んでしまったということになります。
1次防水(屋根材)にいくら塗装を施しても限界があります。
必ず、1次防水の裏に雨水は侵入してきますので、この2次防水が破れた状態のままですと雨漏りは止まりません。
雨漏り発生時には、原因をしっかり追究してから、施工方法を決めていくことが大事です。
パミール屋根
既存の屋根材に「ニチハ パミール」、「クボタ アーバニーグラッサ」などが使用されていたら注意が必要です。
約20年ほど前までは、屋根材に「アスベスト」が含まれていました。
このアスベストが健康被害などから生産中止となりまして、その後はアスベストなしの屋根材が生産され始めました。
ですが、この生産を始めたばかりの商品は不具合が多く、すぐに割れたり、剥がれたりすることがあり、性能が良くありません。
現在では改善されていますが、築12年以上のお宅ではこの屋根材が多く使用されています。
もし、この屋根材が使用されていた場合には丁寧な施工を行っても数年で塗膜が剥がれてくる可能性が高いです。
この屋根材の場合は、「葺き替え(カバー)」がおススメとなってきます。
錆て腐った瓦棒屋根(鉄板屋根)
鉄板屋根は、塗装によるメンテナンスをしないと錆びて劣化してきます。
また、素材自体の寿命もあります。
錆が進行すると、腐って穴が空きます。
腐ってしまった場合にはもちろん、錆の状態が酷いと注意が必要です。
状態が悪いと、塗膜の剥離や剥がれが起きやすくなります。
しっかりと状態を確認して、適切な工事内容の選定が必要です。
棟板金の下地が腐っている
スレート屋根のちょうど中央部(屋根面の交わる部分)に、「棟板金」という役物があります。
築20年以上経過してくると、棟板金の下地が腐っている可能性が高いので注意が必要です。
木下地が腐ると、鉄板や板金を止めている釘が外れてしまい台風などの影響で飛んでしまう事があります。
この場合、「葺き替え(カバー)」というよりも、「屋根塗装+屋根修理」という形で施工していく方法も良いでしょう。
ランニングコストから考えた選択肢
屋根塗装と葺き替え(カバー)の選び方として、屋根の劣化状況からの判断もそうですが、将来的なランニングコストも考えて選定していくと良いです。
屋根塗装の耐用年数は、塗料のグレードにもよりますが平均して「10年前後」で、下地の状態が悪ければ「6年~8年」となってきます。
10年ごとに屋根塗装を行っても、「30~40年後」には最終的に葺き替え(カバー)という選択肢となってしまう可能性は高いです。
そのため、築10年目の最初の屋根リフォームから葺き替え(カバー)を行うという選択肢もありです。
金属屋根(ガルバリウム鋼板)の耐用年数
屋根材の種類 | 耐久年数(目安) | メーカー保証 |
ガルバリウム鋼板 | 25年~30年 | 25年間(穴あき保証) |
自然石粒鋼板 | 30年以上 | 30年間 |
屋根塗装と葺き替えのランニングコスト
施工内容 | 10年 | 20年目 | 30年目 | 40年目 | 合計 |
屋根塗装 | 30万円 | 30万円 | 30万円 | 80万円 | 200万円 |
カバー | 80万円 | 0万円 | 0万円 | 30万円 | 110万円 |
カバー | 0万円 | 80万円 | 0万円 | 0万円 | 80万円 |
現在の屋根材は、ガルバリウム鋼板や自然石粒付鋼板などの屋根材が普及していて、耐久性にとても優れています。
確かに初期費用は高額ですが、先々のランニングコストを考えるとお得と言えます。
1回目の屋根のメンテナンス時から葺き替え(カバー)を行っておくと、じつは長期的にみるとコストが抑えられます。
屋根の劣化状況にもよりますが、築10年目はノーメンテナンスで、築20年前後で屋根リフォームを行うのも良いでしょう。
まとめ
屋根塗装か葺き替えにするのかは、「屋根の状態」、「ランニングコスト」この2点から考えていきます。
重要なのは、信頼のおける施工業者に屋根の点検を依頼して、屋根の状態を判断してもらい、良い提案をしてもらうことです。
屋根塗装は安いので、それだけで判断しては先々嫌な思いをする可能性もあります。
また、屋根点検は1社だけに依頼するのではなく、複数の業者に点検してもらい色々な意見を聞くと良いです。
そのうほうが確実性が増していきます。
しっかりと、相見積もりをとって間違いのない工事を行っていきましょう。
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