外壁塗装をしたいと考えたとき、どこの業者に依頼しても、似たようなものだろうと考えてしまいがちです。
しかし、施工業者によって「費用」、「施工レベル」、「サービス内容」が異なるため注意が必要です。
リフォームに問題を抱える相談のうち、およそ半数が、外壁・屋根の塗装に関する相談なのです。
後悔しないためには、外壁塗装の契約を交わす前にその内容をきちんと確認しなければなりません。
ここでは、外壁塗装の契約をする前にチェックしておきたい「注意点」について解説していきます。
外壁塗装の契約内容について確認
見積もり内容に不備はないか
外壁塗装の契約の前提になるものは見積もりです。
業者と、お互いに納得できるまで、見積もりの内容を検討しなければなりません。
見積書の内容で、わからいない点や気になる点があった場合、業者にどんどん質問して解決していくことが大事です。
不明点を残したまま工事に進むと、トラブルの原因にもなりかねません。
各工程の数量、単位が一式でないか
各工程の数量、単位が「一式」ではないか?
また、工事名称(工程)が細かく記載されているか確認しましょう。
×ダメな例
工事名称 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
仮設足場 | 1 | 式 | 100,000 | 100,000- |
下塗り | 1 | 式 | 120,000 | 120,000- |
中塗り | 1 | 式 | 120,000 | 120,000- |
上塗り | 1 | 式 | 120,000 | 120,000- |
小計 | 460,000- |
数量と単位が「一式」で記載されており、どれくらいの範囲を行うのかこれではわかりません。
また、工事名称(工程)がまとめられすぎており、手抜き工事につながります。
〇良い例
工事名称 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
仮設足場 | 125 | ㎡ | 800 | 100,000- |
<外壁塗装工事> | ||||
高圧洗浄費 | 100 | ㎡ | 200 | 20,000- |
養生、下地調整費 | 1 | 式 | 20,000 | 20,000- |
下塗り | 100 | ㎡ | 1,000 | 100,000- |
中塗り | 100 | ㎡ | 1,100 | 110,000- |
上塗り | 100 | ㎡ | 1,100 | 110,000- |
小計 | 360,000- | |||
合計 | 460,000- |
数量と単価が細かく記載されていると、「一式」よりもどの範囲まで塗装を行うのかわかります。
また、数量と単価をもとに「他社と金額の違い」を比べることができます。
工事名称(工程)を細かく分けることで、手抜き工事を避け、どのような工事にいくらかかっているのかわかります。
(養生、下地調整に関しては細かいため、「㎡で記載」されないことも多いです)
商品名(塗料)の記載
材料の中でも重要なものは「塗料」です。
塗料の品名まで書かれているか確認しましょう。
商品名が書かれていたら、その塗料はどのような塗料で、グレードはどれくらいなのかも聞いてみましょう。
商品名がわかれば、インターネットなどで調べてみるのも一つの方法です。
また、塗料は「何缶」使うのかも確認していくと良いでしょう。
メーカーのHPに、その塗料がどれくらいの「㎡数」塗装できるのか記載されているため、手抜き工事を回避できます。
例:日本ペイントのパーフェクトトップを「150㎡」塗装する場合
<使用料、1缶当たりの塗り面積(㎡)>※メーカーのHPに記載されてます。
使用料(kg/㎡/回) | 1缶当たりの塗り面積(㎡/回/缶) |
0.11~0.17 | 88~136(15kg/缶の場合) |
外壁塗り面積「150㎡」
2回塗り(中塗り+上塗り=「計300㎡」)
「約3~3.5缶」必要という計算になります。
下塗り材は、「シーラーやプライマー」などを使用するため含まれません。
下地調整費は入っているか
「ケレン作業」、「補修作業」、「養生」についても書かれているはずですので、チェックします。
とくに、「ケレン作業や補修作業」は、外壁塗装の契約においては大切な注意点です。
外壁に旧塗膜が残っていたり、ひび割れがある場合にそのまま塗装してしまうと、剥離しやすくなります。
もし書かれていない場合は、行うかどうかを必ず聞いてみましょう。
「養生」は、どこまでの範囲を行うのかも確認すべき項目です。
工事内容や金額が適正か再度確認
工事業者が安心できる業者だとわかっていれば、特に問題はないのですが、たいていの場合は、相見積もりを取って比較する方が良いでしょう。
施工業者によって「金額」や「施工レベル」が違うので、一社で決めてしまうと損をしてしまうことがあるからです。
相見積もりを行う際は、必ず同じ条件で見積もりを依頼することがポイントです。
追加工事はないか
外壁塗装工事では、基本的に追加工事は発生しません。
ですが、まれに外壁の腐食や外壁以外の付帯部の不具合によって、追加工事が発生するケースもあります。
どちらも、仮設足場が建った後に、下からでは見えづらい箇所で発見することが多いです。
工事中に追加が発生すると、予定が変わってしまい慌ててしまうこともありますので、前もって施工業者に追加工事の可能性について確認しておくと良いでしょう。
そのほか上記内容とは関係なく、次々と追加工事の話をしてくる業者もいます。
そのような悪質な業者もいますので、契約する前に追加工事については確認しておきましょう。
支払方法の確認
トラブルを避けるためにも、契約前に支払い方法の確認は必ずしましょう。
①完工後の1回払い
支払い方法で最も多いパターンが「全額施工後の後払い」です。
②着工金と完工金の2回払い
次に多いのが、「施工前に2割~半額」、「施工後に残金払い」です。
業者としては、施工前に入金してもらうことで材料費に充てられることになります。
③着工前、施工中、完工後の3回払い
三番目は、「施工前、施工途中、施工後の3回に分割」する方法です。
主に大規模なリフォーム工事で多く、外壁塗装では、この方法は少ないです。
④全額前払い(注意)
業者の中には、「全額前払い」を要求する業者があります。
通常、全額前払いはほとんど有りませんので、業者を疑った方が良いでしょう。
持ち逃げされるリスクも想定されます。
工事内容に関する確認
着工から完工日までの目安
外壁塗装の工事期間は、着工から完工まで「約10~14日間」です。
意外と外壁塗装に日数はかかりますので、事前準備等も含めて確認しておくと良いです。
また、外壁塗装の期間があまりにも短い場合や逆に長い業者もいるため注意が必要です。
まれに、4~5日間で完了してしまう施工店もいます。
すべてが手抜きとは言えませが、極端に施工期間が短いと「雑な作業」や「施工ミス」が生じやすいです。
長すぎると、予定が崩れてしまうので、しっかりと確認した方が良いです。
ご近隣へ挨拶は行うか
外壁塗装は、「塗料の臭い」も発生しますし、仮設足場や高圧洗浄、電動工具などの「騒音」もあります。
高圧洗浄を行う場合は、水が隣家にかかる場合もあります。
場合によっては、足場が隣家ぎりぎりで、作業者が隣家の土地に入るケースもあるので、施工前に挨拶をした方が良いです。
この挨拶は、施工業者が行うのが基本ですが、まれに挨拶まわりをしない業者もいます。
近隣トラブルに繋がってしまうため、挨拶の有無はしっかりと確認した方が良いでしょう。
工事中に車や物を移動する必要があるか
工事を始める前に、外壁の周囲にある荷物は片づける必要があります。
特に、足場を組むために必要な場所は確保します。
また、塗料が付くことがないように、できるだけ外壁から離しておくようにしましょう。
外壁のそばに植物がある場合は、一時的に移し替える必要があるかもしれませんので、塗装業者と相談しましょう。
外壁近くに車を駐車している場合は、別の場所に駐車スペースを借りる必要があるかもしれません。
保証内容についての確認
保証内容の確認
保証内容について確認
外壁塗装の保証は二種類で、「自社保証」と「団体・組合保証」とがあります。
自社保証は、外壁塗装業者が独自で行う保証です。
ただ、それぞれの会社によって、その保証内容はバラバラで、安心できる業者もあれば、悪徳業者もあるというのが実態です。
外壁塗装業者の多くは、団体や組合に加盟しています。
その団体や組合が保証する制度なので、万一、外壁塗装業者が倒産しても保証は継続されます。
ですから、外壁塗装の契約をする際の注意点の一つとして、施工業者が団体や組合に加盟していて、そこの保証が受けられるかどうかを確認しておくことが大切です。
保証範囲の確認
もう一つ重要な点は、保証の範囲です。
どの部分を保証するのか、「どのような状態になったら保証」するのか、さらに「その保証は何年間」なのか、などを確認しましょう。
保証が壁の塗装のみのケースが多いのですが、木や鉄部の塗装も保証してくれるようでしたら、それはレベルが高い保証といえます。
塗装の剥がれは保証の範囲になりますが、色の変色は保証されないのが一般的です。
保証期間については施工業者によって異なりますが、目安は次のような期間です。
- ウレタン樹脂塗料「5~6年」
- シリコン樹脂塗料「7~8年」
- フッ素塗料「7~10年」
- 光触媒塗料「7~10年」
どのような不具合が生じたら、どんな対応で保証してくれるのかは、契約前に確認しておくと良いでしょう。
ですが、自然災害や建物に起因する場合、不適切な使用によるものなどは保証されません。
工事後のアフターフォローについて
外壁塗装の不具合は、施工後すぐには現れません。
例えば塗装作業の不備による剥がれなども、「半年~数年程度」経過してから症状が出てくるのが一般的です。
ですから、保証の確認もそうですが、アフターフォローをどのように対応してくれるのかをきちんと確認することが大切です。
アフターフォローをどのような形で対応してくれるかは、その塗装業者によって異なります。
主なものは「定期点検」でしょう。
一つの例ですが、「一年後、三年後、五年後」のような区切りで定期点検を行ってくれるケースがあります。
定期点検で、もし施工の不備が見つかれば、すぐに対処してもらえますし、劣化具合などもプロの目で見てもらえるので、早めの対処ができます。
契約書類を交わす必要性とは?
契約書類を交わすことはとても重要です。
書面に残すことで、「工事内容の相違」及び「言った、言わない」の争いを避けることが出来ます。
口約束では拘束力がないため、約束を履行してもらえるかどうか分からなくなります。
お互いの認識の違いによるトラブルや、解釈や思い違いによる紛争も防止できます。
契約書を交わしたがらない悪徳業者もいます。
トラブルに会わないためにも、きちんと契約書を交わしてから工事を進めるということが大切です。
クーリングオフの確認
クーリングオフとは、無条件で契約を解除できることを言います。
ですが、クーリングオフが出来る場合とそうでない場合があるので、契約前に確認しておくと良いでしょう。
クーリングオフを行う場合の注意点
クーリングオフには期限があります。
契約書類を交わした日を含めて「8日以内」の申請が必要です。
もし、クーリングオフを行う場合は、解除可能な日付であることを明確にしておく必要があります。
「はがき」、「FAX」、「簡易書留」などで郵送する方法を取ります。
ですが、悪質業者の場合、はがき等の受け取りを拒否して、期限切れとなり、クーリングオフできなくなってしまうケースもあります。
不安な場合は「内容証明郵便」で行うと確実です。
ですが、「8日間」という期間を過ぎても、クーリングオフできる場合があります。
それは、業者がクーリングオフの約款を渡さなかった場合や、クーリングオフはできないというような嘘の情報を与えていた場合です。
クーリングオフ制度について詳しくはこちら↓↓
まとめ
外壁塗装業者は、それぞれに違いがあります。
悪徳といわれる業者が多いのも、外壁塗装の特徴ともいえます。
平均の費用が百万円前後といわれる外壁塗装は、決して安い買い物ではありません。
きちんとした業者に依頼すれば、家が長持ちして見た目も良くなり、快適に過ごすことが出来ます。
技術や対応の悪い業者を選んでしまうと、せっかくの塗装が短期間で剥がれることもありますし、場合によっては隣近所に迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。
業者を選定する際は、「地元密着」で、「施工実績が豊富」な業者を複数社で比較して選ぶことが重要です。
もちろん、優良業者でもきちんと契約書を交わし、不明な点はわかるまで確認していきましょう。
外壁塗装工事の費用相場の確認・お見積り依頼はコチラ▽
外壁塗装工事の「費用を少しでも抑えたい」、「優良な業者に依頼したい」方は、下記の一括見積もりサイトのプロヌリがおすすめです。
地元の優良業者を比較することで最適な業者を選ぶことができます。
もちろん無料で、「匿名で費用相場の確認」と「お見積り依頼」ができます。
おススメお見積り比較サイト
外壁・屋根塗装工事専門サイト「プロヌリ」
プロヌリは全国対応で、加盟基準を満たした500社の中から地元の優良業者を紹介してくれます。
外壁・屋根塗装の「劣化具合に応じた提案力」と「最適な塗料の提案」を行える業者が加盟しています。
もちろん、厳選された自社施工店が数多く登録しており、「費用面」、「施工面」でも信頼と実績があります。
外壁・屋根塗装専門で工事を行っている業者の紹介となりますので、塗装工事メインでお考えの方は「プロヌリ」はおススメです。